「不在と無人は違う」ピアニストを待ちながら uzさんの映画レビュー(感想・評価)
不在と無人は違う
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そこに居ない人を想う。…JT。(違う)
オープニングが終わると、空調の音すら気になる無音の中、瞬介が目覚める。
驚きも戸惑いもないまま出口を探す違和感はあれど、雰囲気だけはある導入だった。
しかしそこから最後まで雰囲気だけ。
わざとだろうが、終始演劇的な動きや台詞回しなので、どこまでが劇中劇なのかが分かりづらい。
台詞の内容も演劇的なのか、詩的なのか、哲学的なのか…
結局あそこがどういう場所で、彼らがどういう存在で、何故彼らがあの場所にいるかなどはすべて不明。
行人が瞬介と貴織を恨んでいたとは?
演劇をやることについては、そこに意味があるかとか何のためにやるかがテーマに繋がるのは分かるが。
全部思わせぶりに並べて放り投げられた。
立ち位置や上着の有無などカットが繫がってなかったり、貴織だけ衣装が変わることに意味はあるのか。
いくらでもボカせるのに、コロナやスマホで時代を特定する意義は?
行人の死はまだしも、絵美さんのシングルマザー設定はどこかに効いていたのか。
単に登場人物が意味不明な状況に置かれたり、観客が理解不能なものが『不条理劇』ではないと思うが。
ボブ好きの自分にとって、木竜麻生が素敵だったことだけは収穫。
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