「シリーズ最高峰のガンアクション」ジョン・ウィック コンセクエンス コレッキャ・ナイデスさんの映画レビュー(感想・評価)
シリーズ最高峰のガンアクション
前作の第3作目は、個人的にやや地味な印象がありました。しかし、本作は一転、シリーズ中もっとも派手で革新的なガンフーアクションが詰め込まれており、圧巻の一本でした。
<アクション>
特に凱旋門でのカーアクションは素晴らしかったです。絶え間なく車が行き交う凱旋門を舞台に、立ち止まれば即轢かれるという異常な状況下で展開される銃撃戦。緊張感の中で敵を車に投げ飛ばしたり、逆にジョン自身が轢かれるなど、凄惨さと同時に思わず笑ってしまうほど衝撃的なシーンの連続で、まさに未体験の戦闘でした。
他にも、ナイトクラブでのMVのようなライトアップの中での格闘や、火炎弾を撃ち出すショットガンを使い、迷路のような建物内部を俯瞰視点で追いかける銃撃戦など、視覚的にも構成的にもユニークな趣向が凝らされており、アクション映画としての挑戦と進化が存分に味わえました。
<ドラマ>
ジョン以外のメインキャラと物語も魅力的です。
盲目の殺し屋ケイン(ドニー・イェン)は、音を頼りに戦う座頭市のような独自スタイルが非常に面白く、シマヅ・コウジ(真田広之)は刀・弓・手裏剣を使い分ける“ヤクザ×忍者”のような戦法で強烈な存在感を放っています。
全てを失ったジョンとは対照的に、娘を守るため裏切りを選んだケイン、友を守るため命を懸けたシマヅ――それぞれの対比がドラマを深め、ラストの決着も含めて強い余韻を残しました。
<総評>
総じて、本作はシリーズが培ってきた経験と蓄積を結実させ、用意されたハードルを軽々と飛び越えた一本です。既に3作の大作を打ち出した上で、なお前人未到の戦闘表現が次々と展開され、心の底から楽しませてくれました。
ガンアクション映画として、まさに傑作と言うべき作品です。
