「壮大な『報い』、しかし物語の粗さが目立つ一作」ジョン・ウィック コンセクエンス リリさんの映画レビュー(感想・評価)
壮大な『報い』、しかし物語の粗さが目立つ一作
アクションの規模や豪華さは間違いなくシリーズ最大。しかし、1作目にあった殺し屋対殺し屋というシンプルな魅力は薄れ、物語の粗さが目立つ一作だ。
大阪コンチネンタルの武器が原始的すぎるのはさておき、欧米が想像するステレオタイプな日本の酷さには毎度呆れる。真田広之も、これでは本格的な時代劇である『SHOGUN 将軍』をやりたくもなるだろう。
盲目の殺し屋ケインは座頭市のオマージュだろうが、肝心の戦闘は、防弾スーツの性能が上がりすぎて爽快感がなくなってきている。毎回軍隊のような相手と戦うのも、食傷気味だ。
ジョンはとことん判断が遅い。そもそも冒頭で長老を殺した意味もわからない。組織と完全に敵対するなら、それこそ2作目でやっておくべきだったのではないか。
家族を人質に取らないとキャラクターの人間臭さを描けない脚本には能力の低さを感じる。殺し屋としての覚悟が低いキャラクターばかりになってしまっている。
多くの人がこの作風を支持しているから興行的には問題ないのだろうが、1作目のファンとしては、ただただ残念だ。
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