「Yeah…!」ジョン・ウィック コンセクエンス たあちゃんさんの映画レビュー(感想・評価)
Yeah…!
169分あったらしいのだがアクションシーンばっかなので長さを全く感じさせず、製作総指揮のデビッド・リーチはさすがである。ストーリーもほぼ無いに等しく「復讐と犬愛と夫婦愛と友情」だけなので単純明快でたいへんよろしい。物語なんてどうだっていいのだ。いくつもの部屋が区切られた建物内を真俯瞰で移動したりあちこちから襲ってくる雑魚キャラを打ちまくるシーンはシューティングゲームの映画化のようにも見えるけれど、キアヌ・リーブスがお世辞にもアクションが上手いとは言えずもっさりしていて泥臭い。「ジョン・ウィック:チャプター2」を観たときはキアヌ・リーブスにはガンアクションは無理だなと思ったが、防弾スーツがあるから大丈夫!そのモッサリ感を逆手にとってジョン・ウィック映画が発明したといっても良い「ガン・フー」と呼ばれる独特の接近戦がますますエスカレートしていてもはや撃ち合いでは無い。ホルスターにガンをかっこよく収められずもたもたしている「明らかにNGでしょ?」というシーンをまんま生かしていて(できる限り長回し1ショットでいきたいのでカットをかけづらいのだと推察する)何度も敵の車にはね飛ばされては起き上がってくる不死身のゾンビホラーアクションである。期待していた大阪パートはいきなり「初志貫徹」のビルの看板と武器に日本刀と弓矢までは分かるけれど手裏剣が並んでいたのがウケた。それにしても殺し合い間際まで厨房の陰でうどんをすすっている(暗くて良く見えなかったがラーメンではないと思う)座頭市のケインがかっこよくて全て持って行ってしまったことよ。凱旋門のバトルと決戦の寺院での階段落ちはアクション名場面として映画史に残るであろう。