「カロリーが非常に高い映画」ジョン・ウィック コンセクエンス サブレさんの映画レビュー(感想・評価)
カロリーが非常に高い映画
ほとんどの時間を銃撃戦に消費する映画ことジョンウィックシリーズの第四作。本作もご多分にもれず、ストーリー上必要な会話が終わったら長く激しい銃撃戦を繰り広げている。それには大変満足したのだが、あまりに長く激しすぎるので、疲れてしまう。劇場でカロリーの高いバトルシーン交じりの映画を三時間観るのは結構つらかった。
しかし、当然というべきか個別のバトルの満足度は非常に高い。カロリーも高いが味もよいのだ。オオサカマフィアの剣戟バトル、ジョンウィックの暴力的な銃撃戦、盲目の達人による暗殺術、巨漢との肉弾戦、ロータリーでの轢死上等バトル、ゲームのような上から視点のショットガンアクション、階段での共闘、そして一騎打ち。どれもかっこよく、時折コメディ的な描写もあり、笑いと興奮を交えて堪能することができた。
書き出してみると異常な数のバトルをこなしていることに気づく。しかも毎回ジョンは勝ちながらもボロボロになる。数に押されることが大半だが、強敵との戦いで消耗することも多い。それだけ高カロリーなバトルを観ていては胸やけもしますわな…。
で、これがどうやら最終作らしい。残念だ。チャプター5を最終作にして、この高カロリーな映画を半分に分けてくれればちょうどよかったのだが。
しかし果たして「ちょうどいい」映画をジョンウィックと呼べるのか?きっと、「今回のジョンウィックはジョンウィックにしては普通のアクションだったな」と思うに違いない。どんどんエスカレートするアクションカロリーがジョンウィックの醍醐味だからだ。鑑賞するだけで疲れ果てた本作こそが最終章にふさわしい。素晴らしい映画体験に感謝。