「アートワークとダンスの様なアクションの調和」ジョン・ウィック コンセクエンス フラマルコさんの映画レビュー(感想・評価)
アートワークとダンスの様なアクションの調和
ルール オブ ロー(法の下の平等)に悶え、苦しみ、ある者は勝者となり、ある者は敗れ去り、そしてまたその結果に縛られてまた勝者と敗者がゆらめきながら対峙していく無間地獄の様でもあり、その中でも己の信ずることに命を賭して戦う様が美しい美術と光、言葉で説明しない観る者の想像に委ねる余白のある、数多あるアクション映画の中でも素晴らしい出来の映画でした。
リアルでもないファンタジーでもないスタルスキ監督の思いがちゃんと込められたアートワークは観ていてユーモアと美しさが感じられて気分が高揚しました。
以下いつものやつ
キアヌリーブス
もうできないから終わらせてと言ったとか。
気持ちわかります。体力、気力削られたろうなと観ていて感服しました。
キアヌの佇まいがなによりの眼福。
あの雰囲気出せる人他に居ないよね。
真田広之
年齢を感じさせない体捌きに殺陣。
貫禄のある台詞回し。
なにより義のために負ける闘いに投じる姿は劇中最大の落涙ポイントでした。
世界中の人に日本人の魂感じて欲しいですね。
ドニーイェン
演技がめちゃくちゃ上手い!
アクションシーンではないところでの演技に注目しちゃいました。
座頭市を本歌取りしたユーモラスなシーンと真逆のソリッドなアクションは痺れました。
友情と非情と哀しみの表現に唸りました。
麺を食べてるシーンは勝新のソレと遜色無い。
あれは秀逸なシーンです。
リナサワヤマ
雰囲気良かったよ。
アクションもタイトで早いし、良かったなあ。
真田広之さんとの父娘の情はちゃんと伝わりました。
スコットアドキンス
最初出てるの知らなかったから、すげ〜動けるデブだなぁとて驚いたのですが、観終わってキャスト観てびっくりしました。声が出た。
ビルスカルスガルド
パリの豪奢なセットに似合う悪役、端正な顔立ちと傲慢な本性からくる破滅的な雰囲気はマッチしていました。
このぐらい悪役汁だしてくれると見応えあるなぁ。
ローレンスフィッシュバーン
冒頭の台詞回しが印象的!
今回ちょっと舞台回し役で残念。
イヤンマクシェーン
トボけた雰囲気が緊張を緩和。
台詞回しでまた緊張を煽るという様な名人芸を堪能しました。
シャミアアンダーソン
観たことなかったので端役かと思いきや重要な脇役でした。犬との絡みもう少し観ていたかったなあ。
凱旋門での車を使ったアクション!
階段落ちの震撼させるアクション!
美しい芸術の様なセット美術と殺伐として、ダンスの様に優雅なアクションの対比がこの映画の白眉です。
長い上映時間ですが、ストーリー、演技、美術、とにかく堪能しましたよ。