「手配度も満足度も最高。」ジョン・ウィック コンセクエンス ゼリグさんの映画レビュー(感想・評価)
手配度も満足度も最高。
グラセフって知ってますか?
グランド・セフト・オート。
ロックスターゲームズが誇る、倫理観無視の自由度が魅力のオープンワールドゲームです。
あのゲームで手配度が最大の「⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎」になった時のカオスさといったら。
プレイヤーを狙う敵がワラワラと押しかけ、無関係な一般市民や己の車が潰れようがが轢かれようがおかまいなしに銃撃してくる。
当然こちらも無差別に迎え撃つので、辺り一面は血の海。
地獄すぎて笑えてくるレベル。
そんなギャグのような状況を実写でやったらどうなるか?
それをお腹いっぱいになるまで大真面目に見せてくれる映画があります。
キアヌ・リーヴス主演、「ジョン・ウィック コンセクエンス」です。
「殺し屋」という、本来であれば何よりも隠密でなければいけないような業界の人たちが、国家権力が1ミリも存在しないのをいいことに、街中でドンパチボコボコグサグサやり合います。
中でも目を見張るのが凱旋門でのカーチェイス。
ぶつかるわ撃つわ轢かれるわ轢かれたの撃つわぶつかるわ轢かれるわ。
えっ…大丈夫?君たち世界一目立っとるで?
この世界では日常なの?
まあダンスフロアで殺し合いしてる横でも意に介さず踊り狂ってる奴らがいる世界だもんな…
ダンスに集中しすぎじゃない?レッスン中?
一番面白かったのは「オオサカコンチネンタル」ですね。
手裏剣と刀はまだ分かる。ハリウッドジャパンアクションあるある。
そんな事では今さら驚かない。
けど弓矢。弓矢って。
ハンガーゲームやってる?
マシンガンOKの世界ではものすっごい効率悪いやろ。
真田はオオサカを守る気あんのか。
案の定、鎧武者軍団とイップ師匠にめちゃめちゃされとるし。
そんな調子でキアヌも毎ステージでヘロヘロになってる。
体張りまくり。
中でも目を見張るのが終盤の、自分が知っている中で映画史上最長の階段落ち。
蒲田行進曲の6倍くらいあった。
なんで振り出しまで戻るんだよ。人生ゲームか。
こうやって色々とツッコミたい部分がたくさんあったんですけど、結局言いたいのは、ジョン・ウィックめちゃくちゃカッコ良いってことです。
火花が散るライフルを撃ちまくる姿も、リロードの仕方もガンフーも片言の日本語もかっこいい。
もちろんヌンチャク片手に銃を撃つ姿も。
なんだよこの組み合わせ。
とにかく傷だらけになりながらもクールなキアヌがセクシーで最高でした。
影響を受けてキアヌの真似したくなる。
嫌な奴が何か失敗した時とか「コンセクエンス…(報いだ…)」って呟いてしまうかもしれない。きもい。
これ以上ないくらいに綺麗な幕引きを見せながらも、最後の最後で「殺し屋」という職業の「終わらない業」みたいなものを感じさせる終わり方だったのが、個人的に大満足です。
ジョン・ウィックよ永遠に…