「キアヌのヌンチャクさばきに大爆笑!」ジョン・ウィック コンセクエンス snake666さんの映画レビュー(感想・評価)
キアヌのヌンチャクさばきに大爆笑!
本シリーズの魅力は何かと考えた時、それはまぎれもなくキアヌリーブスの不器用で無骨なアクションに他ならない。キアヌが真剣にアクションに取り組めば取り組むほど何かカッコ悪く感じてしまう所があり、しかしそこは真面目に取り組んでいるからこそ非難する気になれないというかむしろその「カッコ悪さ」こそが魅力なのではと。
さらに今回は真田広之、ドニーイェンといった本格アクションスターが芸術的とも言えるパフォーマンスを見せてくれたのがキアヌとは対照的な絵作りになっておりキアヌのカッコ悪アクションがより際立っていたのではと思った(もちろんいい意味で)。
そんな魅力は本作でもてんこ盛りで提供され、どのアクションも手抜き一切無しで一級品に他ならないが、まるで高級料理を食べきれない程次々に出されるかのようにアクションの洪水に満腹になってしまった事で、後半やや凄いはずのアクションがあまり凄いと感じられなくなってしまいそうになった。
凄いものを3時間近くも見せ続けられると見ている側としては感覚が麻痺してしまうというか、やはり作品としてのメリハリは必要なのではと感じずにはいられなかった。何なら中盤の大阪篇で一旦幕を閉じて2部構成でもいいのではとさえ思った。
しかし映画としては決してつまらないわけではなく前述のとうり一つ一つのアクションシーンは凄いクオリティで、超ロング階段落ちや、部屋の上からのワンカットでの撮り方等、新しさもあり、そして全体としては西部劇をやりたかったんだなって所も粋で良かったし満腹ではあったが充分楽しむ事が出来た。
上映時間が2時間くらいなら間違いなく文句なしの名作になっていたと思う。
あとキアヌリーブスにいたっては「マトリックス」以外のシリーズ物として自身の代表作に本シリーズを加える事が出来ているその功績には見事だと言わざるをえない。