「父親探しの旅はまだ続く(と予想)」ジョン・ウィック コンセクエンス あんちゃんさんの映画レビュー(感想・評価)
父親探しの旅はまだ続く(と予想)
楽しみにしていた4作目を観た。少し長くくたびれたが期待通りの面白さ。ただ今回はゲストスターのドニー・イェンと真田広之に尺を割いたためあの独特の世界観は前作以上には拡大せず、整理・纏めの回となった印象が強い。既に「バレリーナ」の公開が迫っておりこれからいくつかのスピンオフドラマが展開されるのだろう。ジョン・ウィック世界はさらに補強されていく。その後で続編ないしは前日譚が制作されると予想しておりまた期待している。
予想の根拠は以下の通り。
①「ジョン・ウィック」という名前の背景や意味合いが明らかになっていない。2014年に第一作が公開された時、その愛想のないタイトルに違和感を覚えた。ごく平凡なアメリカ人の名前にしかみえない。ところが2作目、3作目と話が進むにつれてジョン(ジョナサン)のルーツがベラルーシにあることが分かってきた。ロシア系、東欧系の移民が発音しやすいようファミリーネームを簡略化するのはよくあること。(例えばウォルター・マッソー。リトアニア系です。苗字の頭のMatthだけ活かしている。元の名前は日本人では発音できません)
wickにも元のファミリーネームがあるはず。それがこれからのお話を膨らませるカギになると私は思っている。今回、ベルリンのルスカ・ロマがジョナサンの育った家であることが出てくるがあれは孤児だったジョナサンの養家。「ジョルダーニ」と名前を呼ばれる場面もあるけどあくまで養子としての名前です。孤児になる前のファミリーネームがあるはずでそれがジョン・ウィック世界では重要なファクターになるのではないだろうか。
②父親の存在。ジョン・ウィックシリーズで重要なのは父性の表現である。ジョナサンに父親的な愛情を注ぐ登場人物が多い。ウィンストンはもちろんシャロンやバウリーキングもそんな感じです。今回の作品でもケインやシマヅも娘を持った父親としての側面が強調されています。これはジョナサンが無意識に父親を追い求めていることを示しているのではないでしょうか。そしてそれは先のファミリーネームとも関連する。
私の予想では、ジョナサンの一族は、ルスカ・ロス、首席連合、コンチネンタルホテルなどジョン・ウィック世界の各要素全ての源泉となる暗殺教団か何かで、ジョナサンの父はその教祖的存在だったという風に話を持っていくと思う。あるいはまだ生きているという設定になるのかもしれない。そしてシリーズが続くのであれば、ジョナサンの父親探しと王子として復活がベラルーシを舞台にして描かれるのでは。
ベラルーシでロケをするとなるとウクライナの戦争が終わらないと無理だと思うのでいつ続編をつくることができるか分かりませんが。