「アクションでお腹いっぱい!」ジョン・ウィック コンセクエンス おじゃるさんの映画レビュー(感想・評価)
アクションでお腹いっぱい!
人気の「ジョン・ウィック」シリーズの第4弾。過去作は3作目の「パラベラム」のみ鑑賞済みですが、あまり覚えていません。この機会に事前に1作目から鑑賞しておきたかったのですが、時間がなくて断念。というわけで、今回も予備知識ほぼなしの状態で突撃してきました。
ストーリーは、裏社会の掟を破り、絶大な力を持つ組織・主席連合から命を狙われるジョン・ウィックが、刺客として送り込まれた旧友・ケインとの激闘を繰り広げながら、組織からの自由を賭けて、組織の権力者・グラモン侯爵に決闘を挑むというもの。
流れはいたってシンプル。登場人物も少なく、初見では過去の因縁こそわからないものの、本作における立ち位置はだいたいわかるので、混乱することはほぼないです。しかも、本編の前に、簡単に過去3作のおさらいをしてくれるという親切設計。おかげでストーリーから置いていかれることはありません。
ウリのアクションはこれでもかと用意されていて、どのシーンも見応えがあります。舞台の一つに日本が登場し、真田広之さんが日本人らしく義理堅い立ち回りを見せるのも嬉しかったです。その後も、世界各地を転々としながらのアクションが続くのですが、中でもパリのシーンは圧巻でした。凱旋門のラウンドアバウトを利用した斬新でド派手なアクションは、かなりのインパクトでした。さらに、最終決闘地に向かう前の階段落ちも、なかなか強烈でした。もちろん最後の決闘も気持ちのいい締め方でナイス!
ラストはしんみりした気持ちでスクリーンを眺めながら、一つ回収されていない伏線が…と思っていたら、エンドロール後にそこもきっちり押さえていました。最後までしっかり楽しませてくれる、アクション好きにはたまらない作品に仕上がっています。
とはいえ、物語としては心動かされる場面はあまりなく、平凡な印象です。ていうか、ストーリーは、アクションを行うための言い訳程度のものといった印象です。それなのに上映時間はやたらと長く、アクションてんこ盛りにしたいのはわかりますが、逆に長過ぎて飽きてしまった感もあります。あと、日本の描き方の違和感もハンパないです。情緒のかけらもない室内装飾はまだしも、銃器武装の相手に刀と弓矢と手裏剣で挑むとは…トホホ。
主演はキアヌ・リーブスで、全編で体を張ったアクションを披露しています。共演のドニー・イェン、真田広之さんも、年齢を感じさせないアクションがお見事です。他に、ビル・スカルスガルド、ローレンス・フィッシュバーンらが、脇を固めます。