劇場公開日 2023年4月28日

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「義理堅さに苦しみ救われる話」不思議の国の数学者 kenshuchuさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0義理堅さに苦しみ救われる話

2023年5月4日
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鑑賞方法:映画館

約束を守る、仲間を売らないといった義理堅さは人の信頼を得るのに大事な要素の一つだ。大事な要素の一つなのにときに軽んじられる。でも、そのことを認める人はいて、その義理堅さに救われるというお話。
数学が壊滅的に苦手という高校生が出会った脱北者の警備員は、北朝鮮で有名な数学者だったという設定。脱北者だと生徒の間で知られているから人民軍なんてあだ名もついてたりする。でも、そんな彼の過去について序盤では全く触れてこない。
警備員(ハクソン)が高校生(ジウ)に数学を教えてるようになる流れも、徐々に心の距離が近くなる過程もいい。ハクソンの過去が明らかになるにつれ、ジウの守った約束が鍵を握るようになる展開も。
やっぱりチェ・ミンシクの存在感は素晴らしい。彼のセリフに説得力があるからこそ成り立つストーリーだ。ジウにちょっかいを出してくる女子生徒や嫌味な数学教師の存在も全体の雰囲気を引き締めるいいキャラクターだ。
おじさんと若い子が交流する話って韓国映画では得意な分野なんだろう。今回も、数学に全く疎い自分でも問題なく楽しめるよう、エンタメ作品として練り上げられた良作だった。

kenshuchu