「今作も最高です!」映画 すみっコぐらし ツギハギ工場のふしぎなコ けろりさんの映画レビュー(感想・評価)
今作も最高です!
すみっコぐらしが大好きで、公開初日に観に行ってきました。
第1作目が「大人も楽しめる、感動する」作品として話題になり、2作目も好評だった映画すみっコぐらしの第3作目——個人的には今回も大変感動しました。号泣しました。
すみっコぐらしの各キャラクター詳細を知らなくても、冒頭で簡潔に紹介してくれるので、安心して視聴できます。また、各キャラクターにCVがつくのではなく、キャラのそばにセリフが浮かび上がり、本上まなみさんの優しいナレーションにより物語が進行していきます。
今作では、すみっコたちがおもちゃ工場に勤務することに。くま工場長から工場内での衣食住を保証され、はじめは皆楽しく従事していたものの、おもちゃの生産目標数が日に日に加速度的に増していき、すみっコたちは何やら不穏な気配を感じ始めます。
このサスペンス感、また、ホラー感(とんかつの増殖、町に溢れるおもちゃたち)に加え、ゆるーいアクションあり、カーチェイスありと、先の2作品に無かった要素が今作には採用されていて、映画の主題そのものではありませんが、大きな見どころのひとつだと思います。すみっコの世界でこれらを描写しようと試みた、制作チームの皆さん、すごいです。
現場がどんどんブラック工場(?)化していくのを観て、胃がキリキリする社会人もいらっしゃるかもしれませんが——「いかないで」——くま工場長、ひいてはおもちゃ工場の心情を知れば、納得・同情するはず。
また今作では、しろくまが一際頑張ります。この作品でしろくまの家族構成を知れたのでとても嬉しかったです。しろくまのお母さん、眼差しが優しい…。しろくまが大切にしているぬいぐるみの原型を知ったときは驚きましたが、しろくまとおもちゃ工場との縁を強く感じました。ぬいぐるみに付いていたボタンを探していましたが、しろくまとおもちゃ工場との間に絆が生まれ、ボタンの代わりも生まれました。
自己の存在を定義づけるもの(この場合は名称)に従って生きていかなければ、自己の存在意義は無いのか。すみっコたちは首を横に振ります。そしていつだって「友達だよ」と言ってくれます。ここでたくさん泣きました。おもちゃ工場は新たな生き方を模索することを決心します。
このカットが今作の主題だと思うのですが、上映時間の都合上、おもちゃ工場の転職(?)活動はエンドロール内で語られます。そしてエンドロールが明けると…
「そうか、そういうことか!」
映画館で観ていて、最後の演出に心打たれる方は多いのではないでしょうか。私はめちゃくちゃ泣きました。
たくさん書き連ねましたが、今作も先の2作品に続き、大変感動しました。子どもさんはもちろん、大人の方々も充分に楽しく鑑賞できると思います。ぜひ映画館でご覧ください。
Perfumeの主題歌、最高でした!