「見終わった後に自然と微笑むことのできる映画」丘の上の本屋さん rie530さんの映画レビュー(感想・評価)
見終わった後に自然と微笑むことのできる映画
誰も泣かない
誰も喚かない
誰も落ち込まずに
誰もが自分を語っている
イタリアで最も美しいと言われる小さな町の丘の上
レンガと漆喰で塗り固められた壁沿いに並ぶ古い本
その奥の真ん中に据えられた机に向かい、店主のリベロ(=自由)は古い、捨てられていた日記を読む
BGMは静かなオルゴール
柔らかな陽光の中、同じように柔らかな気持ちの人たちが穏やかに暮らす様子が目に心地よい
そんな中で偶然やってくる移民の少年
本を買う余裕は無い、という彼にリベロは次々と本を貸し与える
与えられる本の内容が、少年の成長にそってどんどん変わる
それが縁の捲れ上がった、色褪せた古本であっても
どんなに豊かなおくりものだろうか、と思う
なんて、なんて贅沢な時間
至幸の時間をリベロはくれた
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