劇場公開日 2023年3月3日

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「小さい時からの読書が如何に大切かを物語る作品。」丘の上の本屋さん 大粒 まろんさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0小さい時からの読書が如何に大切かを物語る作品。

2023年9月21日
iPhoneアプリから投稿

非常に心温かい映画でした。

出てくる少年は西アフリカ出身。本の内容は、団結や差別への意識をどう捉えていくかを考え、生きることの危険はすぐそばにあったりします。如何に偏見や迫害を退けて生きるかを考えるのに最適な良書ばかりでした。

どこにでもいるファシズムに対するリベロの姿勢もまた、大人でした。

現在は共和制なイタリアは、第二次世界大戦までは、社会主義、全体主義でした。そしてムッソリーニのような独裁者を輩出したイタリアが制作したという事に大きな意味がある映画でした。

日本は全国どこにでも図書館があって、世界に比べ間口が広く開いています。税金を払っている人は無料で読書ができる環境が整っています。読書ができるのは自由が守られていて、豊かな国の証です。

読書は、いつでも読めるから読まないではなく、読める時に読む習慣を身につけておけば、いつかあなたを助けてくれるものです。

次の世代に本当に渡せるものは、知恵だけなんでしょう。

最後を嫌う方が多いようですが、皆んな必ず逝くのですから、終わりがある。それが普通です。キチンと死と向き合うことを子供に教えない今の社会の風潮は、いつか身動きが取れなくなるほど困るようになるでしょうね。

大粒 まろん