「始めから終わりまで開いた口が塞がらない呆れ果てた刑事ものドラマ」刑事ジョン・ルーサー フォールン・サン 徒然草枕さんの映画レビュー(感想・評価)
始めから終わりまで開いた口が塞がらない呆れ果てた刑事ものドラマ
ロンドン警視庁本部はイングランドにあるくせに、庁舎の面する街路の名からスコットランドヤードと呼ばれるようになったというのが興味深い。スコットランドヤードの敏腕刑事にジョン・ルーサーという人物がいて、彼を主人公にしたドラマシリーズがあって、本作はその映画化なのだそうだ。さぞや面白いに違いない…と思ってつい見たくもなろうというものだ。
見て、ビックリした。何だこれは? こんなバカげた刑事ものを見たのは初めてかもしれない。
連続猟奇殺人事件が発生している中、その一事件をルーサーが担当することになった。すると突然、彼はかつての汚職事件によってムショ送りになってしまう。刑事司法手続きは全部すっ飛ばして、裁判も何もなしに、である。
そして前記事件の被害者の母親はわざわざムショまで面会に来て、「息子を見つけてくれると約束したのに、この嘘つき!」と罵倒する。
猟奇殺人鬼が立て続けに事件を起こす中、主任女性警部を中心とする捜査チームはいっこうに手がかりを掴めない。何やら仕事はしているようなのだが、どう見ても無能な連中の集まりにすぎない。
そうこうするうちにルーサーは脱獄してしまい、捜査チームは猟奇殺人の犯人よりルーサー追跡に躍起になるのである。
無能なスコットランドヤードを尻目にルーサーは猟奇殺人鬼を突き止め、つかみ合いをしているところにヤードの警官隊が到着するのだが、ルーサーも警官もナイフで刺され、むざむざ取り逃してしまう。警官隊のあまりの無能ぶりが笑える。
また、ヤードの捜査チームの1人が犯人と内通し協力しているわ、主任警部のブッサイクな娘が誘拐されるわ、とにかく支離滅裂な展開の連続に、何だこれ???のオンパレード。行きがかり上、とりあえず最後まで見てみたが、最後まで開いた口が塞がらなかったのであるww