劇場公開日 2023年2月25日

  • 予告編を見る

「東京大空襲という恐ろしい現実を後世に伝えようとする人々の記録」ペーパーシティ 東京大空襲の記憶 テレビウォッチャーつばめさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0東京大空襲という恐ろしい現実を後世に伝えようとする人々の記録

2025年3月8日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

米軍の無慈悲で残虐な爆撃と、時の政府の誤った情報統制のせいで、民間人が10万人も亡くなった東京大空襲という出来事がテーマ。

軍人・軍属には50兆円もの補償がなされたのに、事実を知らされず戦争に巻き込まれ、被害を受けた人々に対する補償はゼロ。

沖縄の平和祈念公園のように被害者の把握も行われていないため、名前を刻んだ碑、いつでも弔うために訪れられる場所もない東京大空襲の犠牲者たち。

生き残った犠牲者たちが、政府に補償を求める訴えを起こすことで、焼失してしまった家族、知人、友人など被害者たちの存在を呼び起こそうともがく姿が映し出されます。

--
私自身は、毎年、東京大空襲が起きた時期に合わせて浅草公会堂で開催される東京大空襲資料展を通じて、被害の全容を把握しておりましたので、それを補完する位置付けの資料映像として大きな価値を感じました。

同一の司会者による番組の最多放送回数世界記録でギネスブック掲載されているトーク番組「徹子の部屋」でも、司会者の黒柳徹子が後世に東京大空襲を伝える努力を続けていますが、本作品のようにパッケージとして残すことも大切だと思いました。

テレビウォッチャーつばめ