シネマ歌舞伎 唐茄子屋 不思議国之若旦那のレビュー・感想・評価
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日本人男性の敗北。
勘九郎親子がそれぞれこの時期にこの年齢だったからできた奇跡の脚本・配役ではあるが、そもそも子供に遊女屋遊びをさせちゃダメだろ!!というところをすっとぼけた大人の無責任さがチラついて、作品世界に入り込めない。頑張ってストーリーを追ってみてもラストで、あーハイハイ買春男の透明化(いちばんダメなのはお仲の旦那だろうになんで大家がひどい目に遭ってめでたしめでたしなのか)は男のロマンでちゅねー、とドン引き。新作歌舞伎をやるなら「再演を重ねて百年先の上演も視野に入れるクオリティー」を最低ラインにしてほしい。幼児虐待、男尊女卑は旧き良き伝統ではあり得ない。
とうなすやふしぎのくにのわかだんな
唐茄子屋を字で見ると『からなすや』と読んでしまうので、タイトルに書いておく。
2024年の初映画館は、宮藤官九郎作・演出の歌舞伎です。歌舞伎は、シネマ歌舞伎で大江戸りびんぐてっど(クドカン)と、野田版桜の森の満開の下(野田秀樹)しか見たことがないので、お約束も伝統的な演目もなーんも知りません。
見たいなぁとは思いつつ、どこから手ェつけたらええかわからんのです。
なのでちょっとオルタナチックな作品を選んでしまいます。
不思議の国のとあるので、アリス要素ならわかる!と思ってたけど、異世界に行った、身体が伸縮する、人間以外と旅をする、くらいしか要素なかったです。
ほぼ落語をモチーフにしてるらしいです。落語も知らんので(タイガー&ドラゴンのみ)全然メイクセンスしませんでした。
んが、面白かったー。笑ったー。あんなに声張って役者さん達よく喉乾かんねとか、しょーもないこと思ってましたが、面白かったー。
程よい現代のワード(メタバースとかルッキズムとか出てくる)と、程よいのかわからんけど笑っちゃう下ネタ(にゅうりん、ミニ若旦那にはさせられない鈴の鳴らし方など)と、良々に勘九郎に獅童に七之助に北条時政(ちがう)に…と芸達者な役者の面白い(だけじゃないはずだけど)演技とか、もうめっちゃ面白くって楽しめました。
ミニ若旦那と超ミニ若旦那も可愛かったし。
最高でした。
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