さいはてのレビュー・感想・評価
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探しているのは2人とも
飲み屋で知り合った独り飲みの男と独り飲みの女が2人で逃避行する話。
寂しさからか下心からか意気投合してお散歩し、逃避行しちゃう?となって気づけばどこぞの湖の畔。
なんだか文学チックに装飾と間をたっぷり使いみせていき、かなりマッタリな進行ですね。
作中でも言っていたけれど、主導はどっち?
トウドウの一貫していない言動は迷いということ?それともどこかで芽生えた下心?
そもそも彼らの逃避行っていうのはただ目的も行く当てもなく旅をすること?
だとするとそもそもこの人達は何から逃げているのか…2人の過去に対する逃避ってなんでしょう?
曖昧なことが多過ぎて感情も乗って来ないし雰囲気映画という感じにしか思えず、しっくり来なかったし、最後の最後でなにその唐突ファンタジーは…悪い意味で更にぶっ壊された感じ。
2人の演技を、映像を、頭と心で感じる映画
中島歩さんが好きで、初日舞台挨拶で鑑賞。
こだわりを感じる、余韻が残るよい映画でした。
今回の中島さんは、おきまりの現実にいそうなダメ男役、というわけではなく笑、闇を抱えたとっつきにくい役。起伏が激しく苦悩しながら進んでいく姿は、少し痩せた姿と相まって新しい演技を見れました。
北澤響さんは初長編ということで、ぎこちないぶぶんはあったけれど、二人のバランスとしてちょうどよかった。
苦悩するトウドウと、まっすぐなモモ。役柄としてはぴったりでした。
ベッドシーンも多く、役者のその場のかけあいを重視されていたこともあり、2人の作中の距離感を伝えるシーンとして重要な役割をしていました。
口調は全編敬語で、すっと入ってこないけれども、こういうもんだと思うと、詩の朗読や、二人のかけあいの舞台のようにも感じられて新鮮な体験。監督のこだわり?だそう。
抽象的な表現が多く、ラストシーンはびっくりしましたが、2時間あまり考え、感じきって、ほぼ登場人物二人だけとは思えない、濃密でよい時間でした。
2023年劇場鑑賞68本目
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