「2人の演技を、映像を、頭と心で感じる映画」さいはて ひでぼーさんの映画レビュー(感想・評価)
2人の演技を、映像を、頭と心で感じる映画
中島歩さんが好きで、初日舞台挨拶で鑑賞。
こだわりを感じる、余韻が残るよい映画でした。
今回の中島さんは、おきまりの現実にいそうなダメ男役、というわけではなく笑、闇を抱えたとっつきにくい役。起伏が激しく苦悩しながら進んでいく姿は、少し痩せた姿と相まって新しい演技を見れました。
北澤響さんは初長編ということで、ぎこちないぶぶんはあったけれど、二人のバランスとしてちょうどよかった。
苦悩するトウドウと、まっすぐなモモ。役柄としてはぴったりでした。
ベッドシーンも多く、役者のその場のかけあいを重視されていたこともあり、2人の作中の距離感を伝えるシーンとして重要な役割をしていました。
口調は全編敬語で、すっと入ってこないけれども、こういうもんだと思うと、詩の朗読や、二人のかけあいの舞台のようにも感じられて新鮮な体験。監督のこだわり?だそう。
抽象的な表現が多く、ラストシーンはびっくりしましたが、2時間あまり考え、感じきって、ほぼ登場人物二人だけとは思えない、濃密でよい時間でした。
2023年劇場鑑賞68本目
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