「フェイクフィルム」ノック 終末の訪問者 サプライズさんの映画レビュー(感想・評価)
フェイクフィルム
すっごい抽象的に話が進んでいく。雰囲気や演出は秀逸であるために、最後まで割と面白く見れるんだけど、結局のところ本筋が見えなくて、消化不良のままエンドロール。予告編の謎は解かされず。予告を見てから鑑賞に至った者にとっては、見たいが見れなくてもどかしい。
導入とか、不穏な空気感とか、めちゃくちゃ好みで面白いのは確か。何やってるのかはさっぱりだけど、皆素晴らしい演技で、見応えはある。音楽やカメラワークなんかもお見事。物語を取っ払ってみれば、とてもいい作品。決してつまらない訳では無いし、なんならテーマとしては結構良いんだけど、ふんわりとし過ぎている。ノープランで進んでる感じが、なんだか歯痒い。もっと大どんでん返しとか衝撃的な出来事が起こると思ってたんだけどな...全然腑に落ちなかった。
序盤のデイブ・バウティスタが最高に好き。
何かが起こる、起こってしまう、恐ろしい雰囲気。ドラックスとは全然キャラクター。強面なのに、どこか優しい。でも、近づいてはいけない大男。ウェンとの会話が何だかすごく怖くて、序盤にして1番の盛り上がりポイントだった。この人の演技力、何気にめちゃくちゃ高いよね。これだったら、小学校教師ってのも納得できちゃうもん。
もっと踏み込んで、面白くできたとは思うけれど、家族愛はそれなりに丁寧に描かれている。ゲイ夫婦の過去や馴れ初めなんかも描けていたら、心がもっと揺さぶられたはず。でも、この状況下に置かれたのがこの家族ってのは、すごく面白くてナイスアイデアだと思う。他には無い緊張感やドラマ性が本作にはあったし、これもまた上手いことやれば秀作になったポイントだと思う。本当に惜しい。
この映画のオチを考えて!と言われると、確かにめちゃくちゃに難しいと思う。あと、理由も。だからこんな、中途半端で引っ掛かりのない物語になったんだと思うけど、別に面白くはあるということは言っておきたい。総合的に見て、ギリギリ3.0。3.5にとても近い。なんなら、4.0も届きそうなくらい。んー、色んな面からなんとも悩ましい作品でした。
今晩は
僕は今作は”とても”ではないけれど、マア面白く鑑賞しました。世界の終末観を現況と併せて上手く表現していた事と、シャマランが好きな聖書”ヨハネの黙示録”との絡みがナカナカでしたね。では。返信は不要ですよ。