「罪のない揚げ物」ノック 終末の訪問者 ジョンスペさんの映画レビュー(感想・評価)
罪のない揚げ物
公開早々、評価は今ひとつと知りつつ、迷走期(エアベンダー、アフター・アース期)を除いて、たいていのシャマラン作品は観ているゆるいシャマラニストなので、観逃すわけにはいかず。本作はサイン+ハプニング風で、出来としてはレディ・イン・ザ・ウォーターぐらい? アタリ・ハズレのあるシャマラン映画を平均したら真ん中という印象だ。
監督のオリジナル脚本と思ったら原作ありで、ヨハネの黙示録が下敷きにあるらしい。3.11の地震津波、9.11の飛行機墜落、ロシアや加州の森林火災、そして新型コロナの疫病など現実を思わせる災厄に、登場人物たちの行動や思考との関連性を考えたくもなる。ただ、そこに深く意味を求めるのは、まさに劇中で語られる信じるか信じないかと同様、元々あるかどうかわからない寓意を作品に求めているように思えて、その辺どうでもいい気もする。
シャマラン映画のおもしろさは、なんでここでそれ?みたいな突拍子のなさにあると思うので。定番の監督のカメオ出演も、今回そこ?みたいな笑いどころでもあるし。相変わらずのハッタリをかました思わせぶり展開をしながら、そうなる前にもっと調べたり聞いたりすることあるだろ!とツッコミながら観るのもまた楽しいのだ。
そんなわけで今作では、頭頂部がプロレス傷で波打ち、両腕ゴリゴリタトゥーのデイブ・バウティスタが心やさしい小学校教師というのがツッコミポイントかもしれないが、ヴィジットでのBBAゲロ吐き級のインパクトがほしかったのはたしか。なお、芸達者な子役ウェンの、口唇裂の意味はさすがになんだったんだろう…?
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