死体の人のレビュー・感想・評価
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ゾンビは死体に入りますか?
今までガラの悪い風貌の役ばかり見てきた奥野瑛太が、見た目も中身もめちゃくちゃいい人。
髪型などもあるだろうけど、ここまで雰囲気を変えられるだけでも、本当に役者だなぁ。
大きすぎてダメ出しされる芝居も、終盤の一人芝居も、それぞれの使い分けが非常に見事でした。
話としては現実的な内容で、起伏も少ない。
しかしそれでも観られてしまうのだから、演技や画作りの賜物なのでしょう。
最初はボカした職業を目を見て言う、などさりげない変化の描き方も好み。
きたろうの安定感は今更だが、奥さんを亡くした後の覇気のない歩き方はサスガでした。
唐田えりかも悪くなかったが、彼氏を追い払う時はもっと鬼気迫るものがほしかったかな。
あえての演出だとしても意図は分かるが、棒すぎて匙加減がちょっと違う。
恐らく加奈の家に転がりこまれてる形なので、あの後が大変だろうにそこも無し。
また癌のくだりも、結局ラストカットで即復帰しており、何故入れたのかよく分からなかった。
脚本面で今一歩なところはあるが、雰囲気のよい作品でした。
testicular cancer
伏線回収とはいえ、ガンだったというシークエンスは、本来はもっと膨らましたかったし、展開をもう一度転がしたかったのだろうという制作陣の悔しさが感じられる
やはり涙腺決壊シーンは、母からの託された遺言とビデオテープ3本、そして通帳だろう
色々と現在の方向制とは即していない部分は否めないが、これも又多様性であり、尊重しなければならない
只、自戒の意味も込めて思うが、ここ最近の作品はやたら風俗のお姉さんに頼り過ぎな面が・・・(苦笑
死体専門のユニークな役を自然体で演じる
昨年『の方へ、流れる』で唐田えりかさんがなかなかの存在感をみせており、それ以来の本作の出演を知って鑑賞。
本作の主役、奥野瑛太さんは2012年に主演作があるそうだが、おそらくその時以来の主演。TBSドラマ『最愛』に続いて、正月のNHKドラマ『いちげき』の益満休之助役などはハマっていて、もう少し出演シーンを視たいと思ったものだ。数々の作品に出演し、再びメインの役を勝ち取った奥野さんにとってふさわしい役者の役、それも死体専門の俳優というユニークな役を正に自然体で演じている。特に子を思う烏丸せつこさんときたろうの両親に報いてあげられない情けなさは誰しもが味わう状況で非常に共感できる。唐田えりかさんは『の方へ、流れる』で演じた斜に構えた役とは対照的に、デリヘル嬢の役を体当たりで自然に演じており彼女の特性がよく出ているのではないだろうか。
ストーリーはよくある感じで特筆すべき目新しいものはないが繋がりとテンポは悪くない。ある出来事を機に2人の様子が変わっていくのが見どころとなっている。
(ネタバレはないと思いますが、念のため(先行上映は統一扱い))
今年73本目(合計725本目/今月(2023年3月度)8本目)。
オンライン試写で拝見。
このような先行試写会という事情もありますので、ネタバレになるような事項は一切避けるようにします。
タイトルや予告編からは軽いホラーかな、あるいは「生きることとなくなることとの境目」といった論点があるのかな…という感じはします。確かに後者の論点はありますが、この映画には隠された秘密のストーリーがあり…そこでは第三の展開が…っと、そこから先はアウトですね…。
やや哲学的な内容が多いかなとは思ったものの、中学高校レベルの一般的な道徳・社会的な理解(と、宗派を問わない、いわゆる「死後の世界」に関する考え方)があれば「十分に」足ります。なぜならこの映画、「第三の展開」が「お楽しみの展開」だからです。
そしてその「第三の展開」につながっていく、最初の「あってもなくてもどうでもよさそうな表現」はどうつながっていくのでしょうか…。
正規の公開日にはおすすめの1作です。ぜひどうぞ。
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