劇場公開日 2023年5月26日

  • 予告編を見る

「ヒロインをかくまう姉弟の呑気さにイライラさせられる」THE WITCH 魔女 増殖 tomatoさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0ヒロインをかくまう姉弟の呑気さにイライラさせられる

2023年5月26日
Androidアプリから投稿

「part2 the other one」とあるように、1作目とは違う、もう1人のヒロインの出自が描かれるが、別人の割には、1作目のヒロインと似ているなぁと思っていたら、最後にちゃんと理由が用意されていて、ニヤリとさせられた。
ストーリー的にも、ラスト以外は、ほとんど1作目とリンクしていないが、ヒロインがかくまわれる先が「牧場」という共通点には、何か意味があるのだろうか?
それにしても、今回は、ヒロインをかくまう姉弟の脳天気ぶりにイライラさせられる。
地上げ屋に命を狙われていることを知っているはずなのに、警察に助けを求めるでもなく、普通にショピングをしていたり、SNSで稼ごうとしていたりして、その危機感のなさには呆れてしまう。
せっかくヒロインが地上げ屋をやっつけても、中途半端にヒロインを制止してしまうが、それで地上げ屋がおとなしく身を引くとでも思ったのだろうか?そのおかげで痛い目に会った闇医者に対して、申し訳ないという気持ちはないのだろうか?
極めつけは、2回目の襲撃を受けた時で、ヒロインを逃がして自分たちだけで立ち向かおうとするのだが、そこは、「先生、お願いします。」と、再度、ヒロインに地上げ屋を追い払ってもらおうとするのが普通だろう。
その挙げ句の姉弟の末路には、何の同情も感じないどころか、「そりゃあそうなるだろう」と納得してしまった。
今回は、ヒロインを巡って3つのグループが活動し、そのうち2つのグループがラストで激突する。しかし、前作と同様、それぞれのグループが、ヒロインを抹殺しようとしているのか、保護しようとしているのかが分からず、今一つ物語に入り込めない。2つのグループが戦う理由や目的も、よく分からない。
クライマックスでは、超能力者同士が激しいバトルを繰り広げるが、前作は格闘戦がメインだったのに対し、今回は、サイコキネシスによる戦いが大きなウェイトを占めている。そのため、ヒロインは突っ立ったままとなり、その圧倒的なパワーは実感できるものの、アクションの魅力は半減してしまったように思えてならない。
次回は、敵か味方かを分かりやすく色分けした上で、是非とも、パワーとスピードの肉弾戦の迫力を復活させてもらいたいものである。

tomato