「100人をまとめる器量がついた」キングダム 運命の炎 p.f.nagaさんの映画レビュー(感想・評価)
100人をまとめる器量がついた
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まだ若造で身体も大きくはない信が、集まった兵の前で意気込みをぶつける。見た目で「あれが俺達の隊長か?」と不審に思っていた新しい兵を鼓舞してやる気にさせる場面が見事。自分たちの置かれた立場を認識させて「敵を倒す」という目標に向かせる演説を力強くやり、見ている方も気持ちが盛り上がる。
また、困難な任務の先頭に立ちながら、兵をうまく使うこともできていて、信の成長を感じた。
実写なので、相手の兵の多さがリアル。そこに向かっていくことの無謀さがわかる。実写なのに、羌カイの速さ強さがリアルで、殺陣がよくできていた。信が相手を倒す最後の一撃も意外にリアリティがあった。
この映画のひとつの見せどころの「えい政と紫夏の物語」は「なぜ、中華統一を目指すのか?」という大きな問いの答えとしては足りないように思った。月の話は月並みだし、なぜ紫夏が恩返しの相手としてえい政を選んだのかがわからない。紫夏がえい政のために死んだのは確かだけど、他にもたくさん死んでいるし、中華統一とは他の国の人をたくさん殺すことなのだから、説得力に欠けると思う。
前作の方が戦場シーンのリアリティがあったように思う。矢・やりが刺さる場面はあるが、刀で切れた場面がひとつもないのはさすがにおかしい。紫夏が死ぬ戦闘で馬車と騎馬の速さがほぼ同じだったり、戦闘シーンをひっぱり過ぎ。やりが刺さりながらも相手を投げ飛ばすし、死ぬ直前のセリフも長すぎる。
飛信隊が山越えするシーンで、わざわざあんな垂直な崖を登らなくても、他にルートはあるはずで、演出のしすぎと思った。
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