「さすがは王騎、もとい大沢たかお。」キングダム 運命の炎 ヌノノノノさんの映画レビュー(感想・評価)
さすがは王騎、もとい大沢たかお。
原作読者、かつこれまでの映画作品も全て視聴しています。今作の主役は間違いなく王騎でした。次回作で必ず死ぬとわかっている、かつその死が信を大きく成長させるとあって、王騎がどれほどの存在なのかを視聴者に納得させることが今作の大命題でした。結果としてそれは大いに成功していたと思います。終盤のココココは別(あれは誰がやってもあれ?です、)として大沢たかおは完全に王騎であり、トレーラービジュアルの上から見下ろす形の構図も、今作の「自身はほぼ動いていないのに戦局のすべてを把握し、動かす将軍」を暗示するものでした。本作が面白いのはまずこの大沢たかおの王騎が原作ファンまでも納得させる圧倒的な魅力を体現できていたからでしょう。あっぱれ。さすが4回も衣装を作り直させるほど役作りされていただけのことはあります。
もう一点は杏さん演じる紫夏編です。原作よりはだいぶさっぱりとしていました。できれば、「そうやって人はつながってゆく」までセリフにしてほしかったですがクサすぎるのでしょうね。短いながらもちゃんとやってくれた感があり、政と王騎のやり取りに違和感なく繋がりました。杏さんの母性?というか闇商人というには違和感があるレベルの慈愛に涙を誘われました。
今作はアクション自体は控えめでドラマパートに時間を割いています。なので、これまでの映画作品に比べると万人受けする映画だったかなと思います。私はアクションがとにかく好きなので、その点だけやや不満で4.5にしています。
あと、李牧とホウケンのキャスティング。いろんな意見があるでしょうが、私は好きです。北条義時のファッションセンス、変わったなぁと思ってしまいました。ただ、彼らの登場以上に長澤まさみの下から上がってくるカメラアングルが脳裏に焼き付きました。あそこだけでも観る価値はあるかもしれない…笑