「一本の槍」キングダム 運命の炎 U-3153さんの映画レビュー(感想・評価)
一本の槍
飛信隊の結成とその初戦が描かれる。
原作既読の方は、きっとブチ上がってる本作なのではなかろうかと思う。
なのだが…原作未読の俺には、いや、どうなの?と疑問を投げかけずにはいられない。
その一本の槍が一本の系にしか見えず…説得力に欠けた。原作でもあんな感じなのだろうか?
敵本陣がある平地に踏み込むのは、5人程だ。
奇襲とはいえ、脆すぎる本陣。
なんちゅうか…実写でやるにはフィクションが過ぎる。なので、ここ1番で盛り上がらない俺がいる。
とはいえ、そこに至るまでの疾走感は好きだ。
敵将の首を一閃する静けさも大好きだ。
ラグビーの戦術みたいに1人を到達させる為の布陣みたいなのがあれば良かったのにと思う。
まさか届くのか?→やっぱり届かないのか…→嘘!?届いた!!みたいな流れがあると嬉しかった。
もう、5人の時点で無理ゲーじゃんで…その結果に物語の都合しか見えなくて萎えてた。
前半の回想が結構ボリューミーで…杏さんに泣かされる。王の背景というか決意を回顧するシーンにも胸が熱くなった。
ラストに出てきた武神…渋いわぁ。
やっぱ時代物は、若さよりも皺が語る歴史に心動かされる。戦乱の世に、体中に傷を受け、その年まで生き残ってるという事は、戦い抜いて勝ち続けてきたからなのだ。その年輪が皺に刻まれる。
今作の戦術というか陣形は分かりやすくて、それをロングで見せられたのも素晴らしかった。
討たれる前の敵将の戦局を読んだ台詞に呼応してロングの絵が蘇ってくる。素敵だった。
相変わらず清野さんはキレてるし…見事だ。
と、色々見応えもあるんだけど、見終わった時に口から出た言葉は「まだ続くの…?」だった。
原作も人気みたいだし、壮大なスケールではあるものの…まだ引っ張るのかと思ってしまった。
まぁ、中途半端で終わるよりはやり遂げては欲しいけど、大作なだけに体力も相当必要だし、役者やスタッフのスケジュールも必要だ。
早く解放してあげてと、どっかで思う俺もいる。