君たちはどう生きるかのレビュー・感想・評価
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シン・ジブリかな??
※かなり重要な部分のネタバレありです。ご注意ください。
『風立ちぬ』を観て「もう宮崎駿監督は映画を作らないんだろうなぁ」なんて感じていたので新作が観られて本当に嬉しいです。長年に渡り情熱を持ってアニメーション映画を作り続ける姿勢に敬服いたします。
自分は監督の大ファンなんでどんな内容でも星5なんですがそれではレビューの意味がないのでここはあえて・・・。
まず、映像は間違いなく高クオリティ。これに文句をつける観客はほとんどいないと思います。どのシーンも安定的、かつさすがジブリと言える品質で安心して観てられます。
さて、問題はストーリーですよね。
舞台は戦時の日本。でも戦争はバックボーンにあるだけでストーリーには直接関係してきません。
主人公のまひと君(漢字忘れました。小学校高学年から中学生くらい?)は火事で母親を失います。
それから数年後、父親がいつのまにか母親の妹といい仲になり再婚します。
って!おーい!そりゃねえよ!!何十年後ならともかく学生の子供がまだ学生くらいの年月しか経ってないのに再婚?!しかも妻の妹と?!
ここを「そういうこともあるよね、まあ昔の日本だし」でスルーできるか「何この男最低!!!」となるかでこの映画を楽しめるかが分かれると思います。第一の関門。
話が逸れました。
傷心癒えぬまま田舎で継母と暮らすことになったまひと君。最初はどことなく不貞腐れて継母と距離を取っています。無理もない。
そこで母親が生前にまひとくんに遺した本「君たちはどう生きるか」を見つけ、それを読んでまひと君は前を向き始めます。タイトル回収はここで。まさかのキーアイテムでしたか。
その直後に継母が謎の失踪。本を読んでひと皮むけたまひと君は継母を探しに不思議の世界へ飛び込みます。
この不思議の世界の冒険がジブリ感満載。過去のジブリ作品のオマージュかな?関連してる世界なのかな?と思わせるような描写があちこちに散りばめられてます。ここは純粋にとても楽しかったです。
そしていろいろ冒険したクライマックス、ユパ様みたいなイケオジがまひとくんに「この不思議の世界の創造主になってほしい、さもないとこの世界は消える」と迫るのですが、まひと君は「自分には無理です」ときっぱりあっさり断って元の現実世界に戻ります。
ここで私はおおっ?!となりました。
今までのジブリ作品って少年少女に過酷な運命を託すものばかりだったんですよね。そして少年少女はそれを当たり前に受け入れる。ナウシカ、シータ、アシタカ、そうすけetc・・・。
何だか、そういう少年少女に対して「辛いことさせちゃってごめんね」と監督自身が言いたいのかなと、引いては今を生きる子供たちに「いかにももっともらしいことを言う大人や周囲に従わなくていい、自分の考えた道を進みなさい」と言ってるのかな・・・と思いました。
自身の過去作品を否定し完結した「シン・エヴァ」のような要素を感じました。もしかしてこれは「シン・ジブリ」なのか・・・?!
と、まあ完全な勝手な妄想です。これから情報がでてきて全然見当違いになるかもしれませんね!というかほぼなると思います。恥ずかし!
で、これを「面白かったから絶対に観るべき!」と人に自信を持って勧められるかというとちょっと悩むので星3.5です。自分は面白かったけど隣で見ていたどこかの子供は退屈そうにしてましたね・・・。不思議の世界での冒険が始まるまでがちょっと長いのと、テンポが緩いんですよね。あと子供が惹かれるような分かりやすく魅力的なキャラとかメカはいないので。
自分は満足でした!初見では見逃してるものがたくさんありそうなのでもう一回くらい観たいです。
ネタバレがしづらい映画
すごくおもしろかったと思います。
一回しか鑑賞していないので、雑感です。
この映画は、テーマのしっかりした視聴者に親切な冒険ファンタジーと捉えられます。その一方でメタファーが多いので、また別の見方ができるおもしろい作品だと思いました。
宮崎駿のことを知らなくても、知っていても楽しめる作品です。
アオサギが物語のテーマとして重要な役割を持っているので、広告ポスターに選ばれた理由がわかりました。
私小説的な側面のある作品ですが、前情報なしに鑑賞する体験そのものがこの映画をエンタメ化させていると感じました。
まさに集大成
宮崎駿の集大成。
醜いアオサギは宮崎駿自身。自身を嘘つき呼ばわりして自戒しながら、それでも今回も主人公の旅の案内をする。
主人公から見た最初の世界は、周りのばあばたちをトランクに群がる醜い虫のように見つめる、冷え切った世界。最初から人らしく見えるのは、美しい母に似た新しい母親と父のみ。それが旅を通じて、少しずつ周りの多くの人が、自分を守ってくれる優しい人だと気付く。
最初は卑しく表現されていたキリコは、力強い心を持ち、主人公も、幼い頃の母さえも助けてくれた人物だった。
自分にとって卑しいと感じるものをただ排除し、否定する我々現代人だが、自分自身もささやかな悪意を持つ存在であると、主人公の若者は最後に気付く。そして、ささやかな悪意を持つ存在の多くに、自分は守られているのだと徐々に気付く。
汚れなき積み木で楽園を築こうとする神は孤独の象徴であり、汚れなき存在などこの世に存在せず、全ての生き物が罪を背負って、ただ前に進んでいる健気な存在。
仏教感とも異なり、ただ自分の不浄を受け入れて、その中でこそ美しく輝く優しさこそが、おそらく宮崎駿が伝えたかったこと。
最後に主人公が現世に持ち帰った石の欠片は、この作品そのもの。すぐに忘れ去られる存在だが、それでも意味がある。
これは間違いなく、宮崎駿の最高傑作。
期待しただけに、、、
予告や前情報がない状態で、公開日の朝1番で観ました。
始まりは戦時中の話?と思ったけど、そこからは良くわからず、、違う世界に行って色んな人物が出てきて、、、終わってからは結局何なん?ってなりました。。
理解するまでに時間がかかりそうです、色んな方の考察動画を見たいと思います。
主題歌は素晴らしい😊
挑戦かあるいは....
正直言ってストーリーは散文的であり、淡々と物語の進行していく。セリフはさほど大事じゃないと感じた。無声映画として見てもそこまで変わらないであろう。セリフから得られる情報が少ない。つまり説明が限りなく少ない。観客を置き去りにしてる。
僕が大人になったのか、数多くのアニメや漫画に触れたからなのか分からないが、ナウシカやラピュタ、千と千尋のような世界観とは異なり、今作の世界観は全く心惹かれなかった。わくわくしなかった。なんか夢に出てくるような意味不明で現実と架空をごちゃまぜにしたような世界をそのまま描き起こした感じがした。
難解で映画としては駄作だと思えるようだが、観客に理解してほしいだとか楽しんでほしいだとかそういう目的での作品ではないと思う。ある意味、往年の名映画監督らしくはない若さを感じた。個人的にはこれまでの宮崎駿作品とは全く異なる印象を受けた。彼は新たなことに挑戦しようとしてしているのかもしれない。あるいは老いたのか...。
次作も楽しみである。
これは僕の妄想ではあるが、彼は観客を小馬鹿にしたいのかもしれない。
宮崎駿というビッグネームの作品、理解不能で意味不明なストーリー、そして「君たちはどう生きるか」という如何にも意味ありげなタイトル。
映画鑑賞後に悩む観客たちを屈託のない笑顔で嘲笑っているのかもしれない。
ジブリの世界観を堪能
ストーリーなど事前情報がないことに何か意味があるのかというと、特に意味はないのかなと思った。
別の世界に行ってからのジブリ感満載な世界観はやっぱり見ていてワクワクするし楽しめるものだった。
主人公が何をきっかけに大きく成長や意志を持ち出したのかは明確ではなかったが、子どもの成長とはそんなものなのかと思い、ファンタジーの世界でもリアリティを感じた。
寝落ちした
7/15午後に視聴。大きな劇場が満席でしたが、途中席を立つ人がちらほら。ぼくは2回ほど寝落ちしました。
戦時中から戦後にかけての話で、空襲で母を亡くした主人公が、母代わりの叔母を探すうちに不思議な世界に迷い込み…
という展開。
宮崎駿さんぽい魔物がうようよ出現する世界観は好きですが、ストーリーがわけがわからない。主人公以外の脇役の登場理由や動機が説明不足で、唐突に新しい脇役が出てきて主人公と絡んで、また次の脇役との絡みへ。この繰り返しと、なぜ主人公を邪魔するのか理由が不明な魔物との戦いが繰り広げられる。物語になっていないです。
ストーリーが破綻した綺麗な映像を120分近く見続けたら、寝落ちもするし、途中退席もする。
宮崎駿さんじゃなければ、ぼくも退席していた。
間違っても小さな子ども連れでは行かない方がよい。山場もないし、退屈してぐずると思います。
期待していただけに残念。
星1つは、声優陣やスタッフさんへのねぎらいの意味。
私は好きな作品です。
昨日から公開なのをうっかり忘れていて、午前中に定期検診を入れてました。昨日、日テレで宣伝してるのを見て「しまった!唯一映画館で観られる朝イチ上映は?」と調べてみると…
大迫力音響『Dolby Atmos』を最大画面、追加料金なし!の謳い文句が!
なんということでしょう!映像の匠、人は彼をジブリの魔術師と呼ぶ、そんな宮崎駿監督の技を10年ぶりに感じられる土曜の朝。(加藤みどりさん風に)
前置き・枕はこれくらいにして、一応『枕』に韻を踏んでみるとまさにビフォア・アフターではないですが、観る前の気持ちと観終わった後の気持ちがこれほど劇的に変わるとは思ってもみませんでした。
前情報があまりにないことと、急に観ることになったせいで予習不足は否めず、このままでは赤点必至なので、封切り日のまだ少ないレビュー40件くらいを見てからの鑑賞。『宮崎駿も終わりだ』『訳わからん』『駄作』みたいな書込みが多かったせいでハードルをくるぶしくらいに落としての鑑賞。
いえいえ、確かに難解で子供向けではありませんが(他のジブリ作品も大人向けのもの、結構多いですよね!)米津玄師さんのエンディング曲が流れた時には涙が出てきてました。もしかして本当に宮崎監督作品の見納め?という感情だけではないと思いますが、娘、孫まで3世代の情操教育を担ってくれたジブリ作品から宮崎監督が足を洗う(もっといい表現ないものでしょうか?)ことの寂しさをひしひしと感じたことは間違いありません!
正直1回目ではまだまだ消化不良ではありますが、これから何度か観直すごとに理解を深めながら感動も重ねていくことになると思います。
本編に触れるなら『ハウルの動く城』『千と千尋の神隠し』『となりのトトロ』『崖の上のポニョ』『魔女の宅急便』『思い出のマーニー(宮崎監督作品ではありませんが)』他、たくさんのジブリ作品のオマージュ、おばあちゃん軍団は湯婆婆やポニョの施設のお年寄りみたいですし、特に青鷺のおじさんはほぼカルシファーのキャラですよね。
強いて言うなら舞台を日本の戦中・戦後においた理由は今ひとつわかりませんが『風立ちぬ』も同じく宮崎監督の思い入れが大きいのでしょうね。ハウルとソフィのごとく眞人とお母さんのお互いを想う気持ちが痛いほど響いてきましたし、どなたか書かれていましたが積み木の数と宮崎作品の数、宮崎監督が離れたあとの『ぼくたち』はどう生きるか、が深く深く響いてきます。
あとは言うまでもなくジブリ作品特有の美しすぎる映像と久石譲さんの美しい旋律、声優をつとめられた皆さんの素晴らしさに感動です。宮崎駿監督作品をBlu-rayBOX(高かった!)で買って毎週、孫とトトロ鑑賞にいそしむ(ガンバレルーヤのまひるさんのごとくセリフを暗記してしまいそうです!)お年寄りとしては「いいものを観せていただきました!美味しゅうございました。(岸朝子さん?)」が率直な感想です。さあ2回目でもっと深掘りしなきゃ!
DNAを揺さぶる宮﨑駿の脳内プロジェクション
公開初日のレイトショーで鑑賞。上映開始直前まで情報を遮断したかったので、SNSは開かず周囲の会話も耳にしないようイヤホンを装着したまま座席に着いた。ここまでまっさらな状態で向き合う映画体験が昨今あっただろうか。声優のイメージや事前情報による余計な先入観に引っ張られることなく、物語と絵に全ての集中力を注ぐことができた…いや、そんな能動的な状態ではなく、全神経が勝手に持っていかれた。それだけで至福の時間だった。
最初から最後まで宮﨑駿節が全開。彼にしか生み出すことのできない、あの独特の絵の表現、キャラクター造形、ストーリーとが凝縮されていた。(詰め込むだけ詰め込んであった、という方が正直なところかもしれないが…。)「私はいま宮﨑駿の新作を見ているんだ・・・!」という興奮がずっと続いた。と同時に、本当にこの作品をもって引退するんだな、という決意というか哀愁を感じて、エンドロールではホロホロと涙が溢れてきた。米津玄師の主題歌も良かったな…。
監督の自叙伝的なお話しと聞いていたが、まさに監督の思想や悔恨みたいなものを映像化した、監督の脳内をスクリーンにプロジェクションしているような、そんな作品だった。「君たちはどう生きるか」は劇中で主人公が読む本のタイトルだった。母親から主人公へと贈られたその本はどんな内容なのだろうかと、そこにも興味を惹かれた。
「難しかった」とか「よく分からなかった」みたいな感想を抱く人もいると思う。でも私は、難解さや意味不明さがイコールつまらないにはならないと思っているし、分からないからこその面白さが宮﨑駿監督作品の醍醐味ではないかと思うくらいだ。私自身、小学校低学年の頃に「風の谷のナウシカ」を観たのが宮﨑駿作品との出会いだが、あの時の「・・・よく分からないけど、なんかすごい面白かった・・・」(それから何度も繰り返し観た)感覚はもはやDNAに刻まれていると言ってもいい。中年になった今日に、幼少期と同じ感覚を呼び覚まされた、そんな体験だった。日本に生まれ、宮﨑駿が生む作品と共に育ってきた私には、条件反射のように揺さぶられる感情があるのだ。
さて、もう一度劇場で鑑賞したら、どんな感想を持つだろうか。確かめてみたいと思っている。
彼が世界を受け入れる話。
今、世界は揺れている。
未曾有のパンデミック。大国による侵略。金利上昇に伴う銀行危機。
挙げだしたらキリがない。科学技術は進み、数十年、数百年前の世界と比べてみれば、世界は確実に豊かになったと言えるだろう。しかしこれは、人々の人生が良くなったことを意味するのだろうか。
世界は揺れている。
崩れてしまうのかもしれない。それでも彼は、皆がいるこの世界を愛し続けるのだ。
斯様な主張が感じ取れる今作であったが、前作に『風立ちぬ』を撮ったとは思えないほどケレン味溢れる描写が多く、特に序盤の炎に包まれるシーンは、御年82歳にして新たな扉を開けたようだった。
ただ、前述の主張にたどりつくまでのプロセスが十分に描ききれていなかったようにも感じる。なぜ彼は大叔父の提案を拒むほどに世界を愛しているのか。
ナウシカっぽい終わり方だし、ナウシカくらい感情移入しにくい主人公だった。
*追記(2回目)
あれ、あんま面白くない?
ストーリーわかった状態でもう一度見てみると、この映画、思ったよりもとっちらかっている。
「夏子を取り戻しに行く」という目標はあるものの、ワラワラに出会ってみたり、インコに殺されそうになったり、ヒミとご飯を食べたり、本筋と関係ないようなことが多すぎる。
テーマにしても同様で、複数のテーマが同時に語られるので結局何が伝えたい映画なのか掴めない。まず分かりやすいものが「少年が母の元から巣立ち、自立する」という物語。そして「混乱した現在でも、生き続けなければない」というメッセージ。最後に「共存する生と死」という概念。これはワラワラという生命の源が魚を殺さなければ生きていけないことや、そのワラワラを食べるペリカンですら自分たちの命のために行動していることからも分かる。
僕たちは何を見せられたのだろう?
Twitter大喜利以外の事前情報無しに観ました。
素直に考えると、宮﨑駿さんの内なる情景、もしくは自伝的ストーリーと捉えるのが筋なんだろう。そういう意味ではこれまでのナウシカから風立ちぬまでもそうであったはず。
〜〜〜以下ストーリーの感想やら印象やら疑問〜〜〜
今時の流行りや商業ベース狙うなら、主人公は女の子かと思ったら、ストレートに男の子、それも美少年を強調してたのはどう言った意味があるのだろう?
城の大伯父さまと実母、夏子ママと、主人公の真人の血のつながりもかなり強調されていたのは、どういう伏線、もしくはテーマなんだろう?
主人公の真人の出自が地方の地主か名士の裕福な家系であるところから、パラレルワンダーランドに迷い込むところ、全てが終わって最後に東京という現実に戻るところまでが予定調和的だった。
インコの帝国は何かのパロディ(奪い奪われ合う現実の人間社会の?)かもだが、インコの王様は最後何がしたかった?
〜〜〜
何年か何十年後かにまた、この映画の内容と宮﨑さんが伝えたかった事について考えることになるかもしれないが、それまでゆっくり温めてておこう。
作る前に誰も止めないのか?
義理の母といきなり近づきすぎ。
最後になって現実で鳥はなぜ消える?
地下の世界はあの後どうする?なくてよかったのでは?
婆さんのお守りたちはなに?
なぜ鳥?
題名何?
友達作る?なぜそれで納得する?
ハァ?ハァ??ハァ??
とにかく内容についてパヤオとかに指摘するとハラスメント系で誰も何も言えないとか?
一番良かったのは始まる前のIMAXの紹介映像は最高!
初日鑑賞後???が巡った。
何コレどういうこと?
一夜明けてみると、宮﨑監督の集大成というか、ああなんだかすごいモノを見てしまった感に包まれている。
というか大風呂敷を広げてたくさんのモチーフを詰め込んで、敢えて閉じずにリリースされている気が。
見てはならないとか、持ってきてはいけないとかの神話的な部分や、木火水土金、鳥は人の魂を運ぶ存在であること、改めて生と死はとても近いところにあるのではないかと。
そして、下の世界の眞人さんの冒険は、チルチルとミチルの物語を思い出した。
子供の頃から宮﨑監督の映画をなんとなく見続けてきてきたけれど、この作品はきちんと説明されずに不可解な部分が特に多い…
ただそれらが意味するものに、興味惹かれて色々と考えてしまう内容だと思う。
突き放してもなお、力がある。
観方によっては突き放すような作品。
その一番の原因は音楽ではないか。
今作の映像に、例えば千と千尋かもののけ姫のような劇伴が付いたなら、気分はかなり上がるだろう。音楽で盛り上げるのをわざと避けている気さえする。
弓に弦を張るとか、根でまかれた石の壁をよじ登るとか、波間を割る細い舳先(コナンOP)とか。そんなこんなから集大成との印象を受ける人もいるようだ。
しかし、過去作と同ポジでも、印象は驚くほど違う。
これまで常に、前作までと異なるものが追求されてきたと思う。むしろ、過去作と同ポジでも違うものを作るという並々ならない気概のあらわれのように感じられてならない。
風立ちぬは、監督自身と重ね、才能を持つ者への隠しきれない賛歌だったと思うが、今作はいわば真逆で、ついに、主人公は、良い人でなく、自傷までして偽るヤツになった。
元々良い人でなく、悪いところもある人・・・ということは誰もが、生き方を見つける様が提示される。
いくつものことが、じわじわと心に迫る。
これが最後なのか?
そういうつもりになるとは思えない。
だがしかし、この突き放し方では、200億円とか、とても多くの人が付いていくとも思えない。
今後も作りたくなったら作れるように、収益があがることを切に願う。
じゃあ自身はどう生きるの?と思ったら
まさにやりたい放題
やりたい放題やって行きやがったな、と思った
すばらしかった
彼自身の人生と作品の総まとめのようでありながらまったく読めない展開に食らいつくように情報がない分見入った
イマジネーションの世界を解放しなさいと言われているようだった
イマジネーションは無限だなと思う
夢の世界を大事にしなさいと言われているようにも思う
人間というのは斯くも意味不明であり可能性の詰め込まれた一人一人が存在であることを思い起こされた
マッドだった
彼はやはりも変人であった
群を抜いた変態だ
それが単なる酔狂でもなく圧倒的な説得力を以って迫ってくる
ただ、やりたい放題やってるのにエゴやわがままや傲慢さは感じない
あくまで普遍性の中でやっている
当然でしょ当たり前でしょ?のような顔をして。
ここまでの国家を作り抜いた人生生き抜いた人生はやはり素晴らしいとしか讃えようがない
人間愛なのだ
人間すげえぜやっぱり、と思わせてもらえた
いいエイガだった
事前に情報を一切出していなかったのもよかった
考えずにそのまま見て感じろ、という意図に感じた
考察したり深読みしたり伏線回収がどうとかという作品が近年多いと自分は感じていたから、こんななんの先入観もなくしかも巨匠の作品をいきなり見られることは贅沢だと思ったし、ただ「見て感じる」ことを久しぶりに体験できた気がする、子どもの頃見た作品は意味が分からなくてもずっと憶えているようなあの感じ
人間には感覚があるということ、それを大事にというメッセージにも思えるしもう一度思い出したい、思い出したくなったときにはまた見たい
と思った
予習が必要なのかな?君たちはどう見るか
タイトルと謎の鳥だけの絵で情報出さずの作品で気になって見に行きました
異世界を題材にするとは思ってもなかった(笑)
タイトルから暗い感じのジメジメしたものかなーと思ったので
しかもあの鳥はオッサンなんかーい😟
塔に入ってからの異世界のそれぞれの描写は
もちろんなにかの比喩だと思うけどすべてをピンとこなかった 何回も見ればわかるのかな〜
あの爺さんは宮崎駿さんでスタジオジブリや今までの作品を塔や積み木で表してます?
13個云々ってとこ作った作品の本数じゃん
君たちはどう生きるか ってスタッフ向け?(笑)
それともはやおさんがいなくなったジブリをどう見てくかって観客に伝えてる?
ファンタジー路線は全然いいけどそれにしては前半のリアル部分丁寧に描いてて少しダレました
というかなんで夏子はんは塔に入って出産することにしたの?
最後まで頭に?マークついててモヤモヤしてしまった
劇場に子どもいたけどちゃんと楽しめたんかな?(笑)
キムタクの声が池田秀一さん(シャア)っぽく聞こえた(笑)あんな感じだったっけ?
宮崎駿の自伝的物語・アニメーションの終焉
「千と千尋の神隠し」以降、ストーリーが迷走していてわかりにくかったが、今回は起承転結が明確、物語の構造も理解しやすい。
説教くさい部分はあるが、それも含めて私としてはとても面白かった!
表面的な解釈は置いておいて、個人的な裏の解釈は、、、
高畑勲の作り上げた夢の世界に入り込み、鈴木敏夫と共に冒険を繰り広げる宮崎駿の自伝的物語。
最後は積み木崩壊≒虚構のアニメーションの世界の終焉。虚構の世界に浸からず、苦しくても現実をしっかり生きろというメッセージ。
大叔父:高畑勲
…夢と幻想と狂気の世界(アニメーション)を作り上げる。
青鷺:鈴木敏夫
…夢世界の案内役。嘘と口車で煽動し世界を操る。
主人公:宮崎駿
…青鷺とともに夢の世界を冒険し、最後に虚構を破壊する。
ついでに…
キリコ:色彩設計の保田さん?
ペリカンの埋葬:高畑勲のお葬式?
を連想してしまいました。
(追記)
インコ(大王):ジブリの利権に群がる広告代理店?
監督、作りたいものは作れましたか?
1日経って冷静になって、(まだ余韻は消えませんが)改めてレビューを書き直してみました。
正直強烈な体験をしたような感覚が消えなくて、
もう一度見た方が冷静になれる気もしますが、今の時点での振り返りをしてみます。
火事の場面。すでに謎に揺さぶられて泣きそうになっている自分がいました。
母親を亡くした主人公は、父と、再婚相手と暮らすことになるのですが、
受け入れて欲しい継母はわざとらしいまでに主人公に対して母親を演じます。しかし主人公は、礼儀正しく振る舞うものの、これを受け入れられないでいます。唯一の肉親である父親も、自身の地位を過信し、新しい環境となる息子の内面までは見えていません。
家でも学校でも疎外感を感じる主人公は、自傷行為に及びます。
そんな中、主人公の心を揺さぶる存在、アオサギが登場します。よくも悪くも、序盤で主人公が自身の感情を素直にぶつけられる唯一の相手がアオサギだったように思います。
心を開けない主人公は、寝込む継母に対して冷たい態度をとってしまいます。アオサギに固執する主人公は、弓矢を作るのですが、ここで母から送られた、タイトルと同名の著書を見つけます。これを読み、何かを感じる主人公。これは本を読んでから見に来た方が良かったか。
継母が行方不明になり探しに出るのですが、この時点では、継母への心配よりも、まだアオサギへの敵対心が原動力に見えました。
継母を探すため異世界へ迷いこみます。
生きるために命を奪う世界。それは自分だけでなく、相手もそうであると知ります。
そんな中でアオサギや出会った仲間達と協力し合い、ついに継母の所へたどり着きます。
そして、はじめて親子としてお互いの心をぶつけ合います。
主人公は、自らの意志を固めていきます。
新しい母とともに帰る、と。
大叔父は、世継ぎとして主人公を求めます。少しだけ、大叔父と監督を重ねて見えた気がしました。
主人公は出会った娘が自分の母だと気づきます。娘も、自分の息子だと気づきます。
そして、この少年を生めることに喜びを感じ、自身の世界で生きることを選びます。
主人公も、友と家族と共に生きていく事を選びます。
このあたりから、なんでかわかりませんが涙が止まらなくなりました。
理不尽ばかりの世の中だけど、
それでもこの世界は生きていくに値するのだと
監督に言われているような気がしました。
振り返りながらまた泣いてしまった。
見終わった時に周りを見ると、
退屈そうな人や、困惑してる人なと様々でした。
自分も、「めっちゃ良かったよ」ていう言葉は適切ではない気がするけど、それに代わる言葉も見つかりません。
意外と、大人が見ると難解な話かもしれませんが、子供達はすんなり受け取るんじゃないかな。
と思ってみたり。
最後になるかもしれないのかな。
この時代に生きていることに感謝。
監督が作りたいものが作れてたらいいな。
駄文長文失礼しました。
最後に
どこかの映画館で、自分と同じように
夢中になって、楽しくて、ドキドキして、
そして涙した方々へ
いい映画でしたね。
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