君たちはどう生きるかのレビュー・感想・評価
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ファンタジーの醍醐味
ようやく観賞しました。レビューでは賛否あるのは知ってたが、予備知識ナシで臨みました。基本的にファンタジーやおとぎ話的な世界観こそジブリの真骨頂だと思ってますので、違和感なく観賞できました。
ストーリー展開もわかりやすく、序盤の前フリから異世界への旅立ちまで青サギでうまく興味を引き立て誘い繋いでいます。そこからはファンタジーです。次はどうなるの?とワクワクドキドキ感をもたせる展開は見事だと思います。それがファンタジーの醍醐味だと思います。
ストーリーが難解だとか何を言いたいのか分からないとの批判も一定は理解できるけど、そんなに小難しく考えなくても楽しめると思いますよ。どう解釈しようが観た人の自由です。それでいいのです。宮崎駿の脳内は宮崎駿にしか分からないですよ。
「戦争」が根底にあって、それを踏まえて上でこの先君たちはどう生きるのか?争いのない世界を夢想して生きるのか?それとも現実を受け止めて困難のなか生きるのか?戦争経験者である宮崎駿からの問いかけなのかなとぼくは思いました。
想像の世界を脳内で詳細まで構築し、それを映像化して一つの世界観をつくるなんてとんでもない凄さを感じます。宮崎駿の頭のなかどうなってるのか知りたいです(笑)
だが、しかし…。
ジブリ作品は苦手だが今作は面白かった
何故、このタイトル
考えさせられ…る?
まだまだ続く宮崎駿の物語
最高
何よりもまず映像作品として心躍る素晴らしい作品だった。純粋に美しい映像を楽しむことで満足が出来るくらいに素晴らしい映像の出来だった。特に冒頭の病院へひた走るシーンは圧巻だった。シネマカメラで撮ったかのような眞人にベタピン(眞人にだけピントが合ってる状態)のスローシャッター映像は鳥肌が立った。時々挟まれるアニメではなく、一枚の画をパンするシーンもそこに動きがないからこそ掻き立てられる想像力、といった感じでとにかく心に訴えかけるものがあった。
勿論ジブリらしさも全開で眞人とヒミがインコたちの住む石塔の階段を下っていくシーン、キリコと共に魚を解体するシーン、ワラワラ?ワタワタ?が飛び立つシーンなど箸休め的に心を癒してくれる。
ノーランのTENETに感じた映画の奥深さを思い出させられた。映画の芸術媒体としての完成度は極地に達しつつあると思う。
内容に関しても非常に楽しめる良いものだった。
「夢」の設定で物語の不安定さを補いつつ、宮崎駿のやりたいことが詰め込まれた感じ。しかし、詰め込みに関して嫌な感じは少なく、比較的伝えようという思いを感じる。
・ヒミが炎でペリカンたちを焼くシーン、ワラワラ達は卵子のメタファーであり焼かれると赤い液体となって滑り落ちる。生理をやりたかったのかな?ワラワラの世話をするキリコはヒミと共に現代へ戻り、ヒミと夏子の世話をするようになるのであるから恐らくこの解釈で間違いないだろう。てかペリカンは何を意味してるの?って話だけど、分からん。でも彼らはそこから出れないし、それ以外に食料も持たない。悪意がある訳ではない。でも悪意の扉へと眞人を押し込んだのはペリカン。で、眞人が来るとワラワラは飛び立つことが出来た。はにゃ?
・この物語においてヒミと夏子はあくまでも媒介者であり、当事者は大叔父と眞人である。
・夢を下の世界へと下っていく発想はインセプションに似ていた。
・ヒミが火を扱う一方で、大叔父は海にこだわる。火はヒミを焼き殺す。使い方次第で世界を変える力の存在を示したかったのでは?海の象徴もこれまたインセプションと一緒。世界の構築部の余り、みたいな感じが海なのかな?
・夏子の産屋のシーンは解釈が難しかったが、眞人の吐き出した言葉が未だ心からの言葉ではなかったから夏子を連れ出すことは出来なかった的な感じかな?岩の主みたいなやつは悪意を象徴してるのだろう。眞人が頭に傷をつけたときもそうだし、そもそも大叔父が自らの夢の世界を作り出す下地として石塔を用いたのもそうだし、眞人自身も岩には悪意があるみたいなこと言ってたしね。なんで岩が悪意なのかっていうそもそも論は分からない。
・世界が崩壊していくシーンで夏子は産屋を出て歩いてくるんだけど、あれがよく分からん。何が変わったっていうと眞人の心が固まったってくらいでそれが直接描かれてないからつわりが終わりました、くらいしか思いつかん。
・お父さんが石塔に向かってくるシーンは出征。飛び出してきたインコに立ち向かうけどウンチまみれにされる。多分お父さんが実際に戦争を体験してないことを揶揄したのだろう。お父さんは人の意見を取り入れないながらも成功してきた人。そもそもヒミが死んだからその妹とってかなりキモい。俗人ですなあ。
・宮崎駿が良くやる穴抜けは今回も健在。一番最初に塔に入ろうとするとき、夏子を探しに行くとき、大叔父に会いに行くとき。いっぱい出てきた。違う世界に行く合図。
・音楽の使いかた。最初はお母さん関連で流してんのかな?って見てたけど多分眞人の成長で流してる。
・インコの象徴は人間。大叔父が夢の世界の住人として連れてきたインコたちは自我を持ち、自分たちが優占種として暮らしていける世界が亡くなってしまうのは嫌。ヒミを解放したのだって、大叔父の跡を告げる眞人を呼び寄せられるのはヒミだから。眞人が積み石をしなかったときに自分で積んで見せて上手くいかなくて叩ききって世界は崩壊した。人間と地球の関係。やりたいことやりつくして上手くいかなくてぶち壊す。
・アオサギは眞人と最終的に友達になる。当初は眞人に興味はあるけどちょっかいをかけるばかり。でも一緒に旅をして共に時間を過ごすことで無二の親友になる。夢の話でしかないから姿は消してしまって、俺のことは忘れるよ。みたいに言うけど、眞人の心の奥底には眠り続ける。夢の世界での記憶は消えるかもしれないけど、学びは糧となり、心に残り続ける。
また思いついたら書く。
いい映画でした。
追加
・アオサギは、大叔父には作れなかった真の意味での理解者としての友達的な感じ、大叔父は自分をフルに表現しきれる相手、場所がなくて、世界に嫌気が指して夢の世界に生きるほうが幸せだって考えたけど眞人は現実世界でぶつかりながらも生きていくことを選択した的な
で、その決断の決め手になったのがアオサギという友達
・ヒミ、眞人の母の若返り顕現が歪んだオイディプスコンプレックスそのものであるというレビューを目にした。その通りだわ。そう考えると、夏子を最後認めたふうに描くことで自らはそんなコンプレックス克服しましたけどね!みたいな描き方が出来る!ということだろう。非常に納得。これで夏子の存在に意味が見いだせた
宮崎駿ワールド
完全にタイトル負けだと思います。
宮﨑駿監督へのご褒美だと思った。
予告という先入観をなくし、ジブリ・宮﨑駿監督の今までの作品への信頼と、知名度だけで人を集め、作りたい作品を作る。
別にわかってもらう必要はない。自己満足の世界を存分に詰め込んで映画として世の中に出す。
作り手としてこんなに幸せなことはないのではないかと思った。
それは、今までたくさんの物語を世に送り出してきた彼へのご褒美のようなものだと感じた。
賛否両論があるのもわかる。
否どころか、わからないことが多すぎる。
ただ、例えば美術館で絵の展示を、完璧にわかってみれる人がどれだけいるだろう。
作者の世界観をどんと並べられ、それをみた人が自分なりに解釈する。
そこに解釈の余地すら与えられず、「これはね、こういうことでね」と細かく説明されるのも野暮だろう。
今回の映画は、そういう映画だと思った。
分かろうとしてみるのではなく、自分なりの受け取り方を考えてみる。
正解を求めて、答えがわからないからスッキリしないというのではなく、
ただ目の前に広がる世界観を楽しんでみる。
そんな気持ちでみることをおすすめしたいと思います。
ジブリ映画に元気づけられ、励まされ、夢を見させてもらった私は間違いなく、この作品を見て良かったと感じました。
観てわかることもあった
自分は何を受け取るのか
宮さんのキャリア集大成
宮崎駿という作家を語るうえで、言葉や概念ではなく映像そのものに注目しないと本質には迫れない、と私は思う。「もののけ姫」のようなテーマ先行の作品もある。しかしそれは例外であり、例えば「ナウシカ」なら暴走する大群の王蟲や、「トトロ」なら野山を飛び越えるネコバスなど、ワンカットごとの強烈なインパクトのある画ありきで、その集合体がそれぞれの作品として形を成していると捉えるべきだろう。というのも、脚本監督なんでもやる宮崎駿を一言で表すならば「超一流のアニメーター」であるからだ。よってプロットやテーマについて分析するのは博学な諸氏に任せるとして、私は画そのものの切り口から少しだけ語ってみたい。
印象に残ったカットを思い出すままに列挙する。じめっとした空気の中に香る西洋建築の木の匂い。若干デフォルメされた女中たち各々の歩き方。肉を切るときの弾力感。波のように群れをなす生き物たち。固体が液化する質感。朽ちて崩れ落ちる木と金属。などなど。
それらは私が今までに繰り返し見た宮崎映画の記憶として刷り込まれ、もはや血肉になっている。宮崎駿が命を削って半世紀に渡り生み出してきたあの画この画を惜しげもなく全て注ぎ込んだのが「君たちはどう生きるか」という作品である。
御歳80を過ぎてこの圧倒的な画を生み出す宮崎駿は鉄人である。本作品はそのキャリアの集大成と呼ぶに相応しい。私は2023年にこの新作が観られることに感謝したい。
難解。
ラスト「え?まさかこれで終わらないよね?まだ何かあるよね?」って思ったけど、そこで終わりだった。
世間での酷評は耳にしてたけど、それでもやはり期待して見に行ってしまった…
もう少しエピローグ欲しかったよ。
宮崎駿監督めっちゃ好きなんだけど、なんだろ、この作品は。
実は前作の風立ちぬもイマイチ刺さらなかったしな。
私の理解の範疇を超えてしまっている。
声優さんは豪華で全然知識なく見たものだから、終わってからサギが菅田君って知ってびっくり。
てっきり六平直政さんかと思ってた笑
キムタクは相変わらずキムタクですーぐわかったけどね。
駿監督の過去作を彷彿とさせるシーンも多く、全く楽しめなかったわけでもないのだけど、結局大筋がきちんと理解できないものだから、なんかもやーっとした後味。
これは何度も観ないとわからないのかな。
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