君たちはどう生きるかのレビュー・感想・評価
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過去作品で描き切れなかった問いの再演
タイトルからもっと哲学的な教訓を押し付けるような作品かと思っていましたが、全く普通に観られる少し不思議なファンタジーでした。
アニメ描写は流石のジブリにしか出せない迫力があり、キャラクターもそれぞれ良い味を出しているので誰でも普通に楽しめるかと思います。細かいところを気にしなければ。(身内は難しいと言っていましたが。)
私が全体を通して感じたのは、ああー…映画ナウシカでは時間的に描き切れなかった最後の問を再度映画で描きたかったのかな、と思いました。ナウシカの漫画を読むと、今回の映画のラストの大叔父さんからの問いと、ほぼ同様の問いかけがあります。
主人公は2作とも同様に、戦争の最中にあって、人の愚かさを知っていながら、その問いに答える。
きっと映画ナウシカでは描き切れなかった、主人公の自分の未来に向き合うこと、今作タイトルのどう生きていくかの決意を描きたかったのかなと感じました。
自分はジブリ作品の中ではラピュタが最も好みで、次点でナウシカです。今作、見ている最中はどうオチがつくのかと楽しみましたが、ラピュタ・ナウシカのガツンと響くほどの衝撃はやはりなかったです。でもコンパクトにまとまっていながらも先に希望を残すファンタジーでした。
私はすごく好きな映画だった。
見終わってすぐ友達に言った言葉は「1度夢で見たことがある気がする」でした。
それを宮崎駿監督が伝えたかったのかは分からないけど、私個人はそんな感じがしました。
今まで見た夢の中で1度は見たことがある内容。その夢は覚えてはないけど、大叔父がいた部屋(明るくて、広い空間に机とつみきがある感じ)や、その部屋に行く前の三角の明るくて狭い通路、最後石の世界が崩れていく感じなど、既視感まではいかないけどこんな雰囲気を知っているという感情が心の片隅にありました。
ほんとに不思議な映画でした。
友達に「夢で見たことある気がする」の後に私は続けて「覚えてはないけど……」と言いました。
その瞬間に私は最後アオサギが言ってた「お前よく覚えてるな」というセリフを思い出しました。
すこし鳥肌がたちました。
まひとはその世界の物を持ち出したから覚えていれるけど、持ってきてない人はその世界のことを忘れる。
もしかして私も忘れてるだけなんじゃ……などと変に色々と考えてしまいました。
自分でも何が言いたいのか分からなくなってきました……まあ、見たことがない人には1度見てほしい作品です。その後その人がどう感じるかは分からないですけどね。
宮崎監督らしいと言えば、宮崎監督らしい作品。
宮崎駿監督の心の奥底を映像化したような作品。評判通り分かり辛いかも知れないが、千と千尋も同じような感じで、そちらの方が明るく、少しだけ分かりやすかっただけだと思った。言葉は少ないが、過去に宮崎作品を観てきている人にとってはそんなに難しくない気がする。あまり宮崎作品を観た事がない人には難解かも。あと、タイトルがミスリーディングさせてるかも知れない。メッセージは確かにそうだと思うけど、今までのジブリ作品のようなタイトルにしたら、暗めの宮崎さんらしいね、となっている気もする。逆にこのタイトルを使うなら、もっと眞人の心情に踏み込んで欲しかった。
これまでの宮崎さんの作品にもあるような展開とメッセージが新鮮ではなかったのと、タイトルに違和感。あと暗い雰囲気でマイナス点。映画の作品で暗めに作るなら、もっと人間の心情に深く切り込んで欲しかったし、そうでないなら楽しくして欲しかった。
2023/12/16追記
NHKのプロフェッショナル 仕事の流儀を観ました。
最後の選択はそう言う意味があったのか。その他の、ん?と思った点の疑問も解消した。この作品は観客のためではなくて、宮崎さん自身のための映画だったんだと理解した。もやもやしたものが晴れた気がした。
君たちは自分の世界を生き抜け!
宮崎駿監督の次世代の若者へのエールですね。高校生のときに、リアルタイムでナウシカを観て感動した私は、もうそのエールを送られる対象ではないのが少し寂しいですが。
宮崎監督らしい細部のこだわりは本当に感動します。冒頭の真人が日本家屋特有の急な階段を駆け上がるシーン。夏子さんが乗っていた人力車のような乗り物の椅子から降りるときの、微妙な揺れ方。宮崎監督の表現への拘りは、まったく衰えが見られませんね。
私はストーリーに難解な印象はありませんでした。宮崎監督が自らの人生の終焉を受け入れ、若い人たちへストレートなエールを送られたのだと思います。
そこにはポニョには感じられた死への畏れのような暗いものもなく、また風立ちぬの感傷的な感慨もありません。どこまでも清々しく、明るい、人生のエンディングともなるメッセージをもらったと感じました。
宮崎ワールド全開
意味とかどうでもいいんだと思いました。ただ、宮崎駿ワールドを堪能する、集大成みたいな作品。宮崎駿監督の頭をチラ見させて頂いたみたいな世界観がとても面白かったです。これはこれでいいですよね?
宮崎駿の遺言
宮崎駿の遺言ですね。塔は自身が作り上げたスタジオジブリだし、主の大叔父は宮崎駿そのものです。自身が人生を掛けて作り上げたスタジオジブリも滅びに向かっている、理想的なものを作るためのスタジオはいつの間にかぎゅうぎゅうになり、きわどいバランスの上にいる。積木はこれまでの作品でしょう。これを引き継いでほしい、血の繋がっている誰かに継いでほしい。でも、それは叶わなかった、でもそれでいいんだ、でも哀しい。
主人公は宮崎駿の少年時代の眞人くんでしたが、本当の主人公は宮崎駿そのものの大叔父でした。
宮崎駿の人生の決算だったのでしょう。ジブリ映画のオマージュと思わしき場面もありました。紅の豚のジーナの待つ場所、ハウルの流星、ナウシカの金色の野。
ジブリ映画的なものを求めた人には不評なのも納得できます。この映画は宮崎駿の遺言、宮崎駿の映画なのです。
私には一人の男の映画としてとても響きました。
属人的な組織の次世代への問い
ジブリやジャニーズのような属人的な組織は、次世代へどう経営を繋いでいくかに、課題があります。
そこへの問いを感じました。
宮崎駿が一つ一つのシーンにどのような思いを込めたのか、今の年齢で監督として作った作品だからこそ、考えてみていました。
過去の作品のオマージュや、ラストの大叔父のセリフなどにも宮崎駿のジブリと未来への思いが多く詰まった作品だったと思います。
そのような部分が、ジブリの作画でジブリっぽいファンタジー溢れる形で描かれていたので、ジブリファンとしては納得しました。
予告なしでの上映ということで、当初は風立ちぬのような戦後の現実を直視するような話かと思いましたが、実在は千と千尋やハウルのような非現実的なファンタジーな世界での話でありました。
映画に出てきた、積み木こそが次世代を担う我々であり、
積み木上手くハマらないと全てが崩れる。そういった部分は、国や組織そのものだと思いました。
宮崎駿は次の世代へジブリという積み木をしっかりと積み上げて欲しい気持ちがあるかもしれません。ですが、それはエゴです。
新しく次世代が古い考えにとらわれず、進化を遂げていくことこそが大切なんじゃないかなと思いました。
君たちはどう生きるか
これまでのジブリ映画は、健気に生きる者、特に少年少女に向けたメッセージが多かったが、今回は『過ちを犯したもの』に対するメッセージのような気がした。
正しく清らかな世界だけが全てでは無い。混沌とした世界もまた、紛れもなく私達の生きる世界だ。過ちや反する考えも受け入れる事が出来たら…そんな気が遠くなるような途方もないことを考えさせられた。
何度も観て理解を…?
期待していた分も含めてこの評価です。
本当に監督はこの作品作りたくて、世に届けたかったのか…
監督自身も訳わからないところあったと言うぐらいですから、私にはもっと??でした。
何度も観て理解を深めよというメッセージかもしれません。
パンフは初日に欲しかったです。
これで最後にしないで
評価が二分している事以外は前知識無しで映画観ました。
未来少年コナンからず〜っと宮崎駿監督の大ファンです。大ファン故に今回のは大変残念です。ストーリーも背景も『君はどう生きるか』の意味、訴えかけもよく分からず、退屈で途中ちょっと寝てしまった。エンディングも唐突で「こんな終わり方あり?編集ミス?」って感じ。後には余韻も爽快感も考えさせられるようなものも何も残らない。
こんなので最後の作品とならないで!次作で名誉回復される事を期待したいです。もう一度観に行くか。寝てしまった事もあるし、分からなかった事も分かるようになる事を期待して。
ここからは鈴木プロデューサーに対する評価。今回も『名俳優と名声優は全く別物』という事を証明された作品でした。いい加減この事を鈴木氏は認識されるべき!(アテレコも上手い俳優は確かにいますが、まあまあではダメ!)宮崎作品の足を引っ張らないで、ベストな製作に協力するのがプロデューサーの役割だろうといつも思う。
考えるな感じろ
2023/8 イオンシネマ 3プレミアム前
子供の頃からのジブリファンとしての感想です。
大まかにネタバレさらっと読んで観に行きました。
レビューに夢をみてるような話だったとみたが
ばったばったと話が変わるのではなく
不思議の国のアリスのようにここからが不思議な世界だよと明確になっている
ポニョよりはわかりやすく、トトロや千と千尋に近い
・最初のお母さんを助けにいくシーン、夏子さんを助けにいくシーンが特に絵の表現が綺麗だった
・集合体が苦手な人にはちょっときついかもしれない
私はなんとも思わなかったが、苦手な家族は顔を度々背けてた
・鳥がたくさんでてくる。インコは賢い🦜
異世界はインコが進化していて?人間チックな姿
・最後、感動的なシーンなのにインコのフンで皆汚れててしまいクスッと笑える
私としては面白くなかったとかつまらなかったと評価をみてからの鑑賞で期待はもたず
ただ美術品をみるような感覚で観ていて謎もありつつすっと入っていって心地よく
久しぶりの宮崎駿のファンタジー作品だし予想以上に楽しめた
もしかしたらこれが劇場での最後の作品になるかもしれませんが監督の新作に新たに出会えたことに感謝しつつ考察に捗りたいと思います
なぜ声優使わないのか不明
今までもそういう傾向はちらほらとは有ったが、今作では特に芸能人オンパレードで(仕事を貰って演じている俳優に罪は無いが)、棒読み感が気になって作品に集中が出来ないまま終わった。途中、退席するか迷った。
途中から声優使わなくなったようで、何かの逆恨みなのかな?使ってた頃のが良かったし、自然な演技をできないって言ったらしいが、、それも偏見、彼の指示の仕方が悪いからでしょ。棒読みと自然な演技は違いますけどね。
※ここ君たちはのレビューで2回レビュー削除されたが、何かスポンサーとかに忖度でもするのか?ここは。大して暴言吐いてもいないと思うが、あくまでも個人の感想なのだし、言論の自由を重んじないのだな。残念。
宮崎駿が作った宮崎駿のための作品
一言で表すならそれ。
訳が分からなかった。でも駄作だから訳が分からなかったって意味じゃなくて、理解しようとするのがそもそも違うんだと思う。
SNSで見た、
「夢をぐちゃぐちゃに混ぜたみたい」
「宮崎駿病んでるのかな、投げやりなのかな」
みたいな感想全部に頷ける
上映される前、はいこれは宮崎駿の最後の作品ですよって宣言されてから始まっても納得できる。
面白かった、怖かった、って普通の感想で括れない。人に勧めるものでもない。もう一度見たいとは思わない。駄作ではない。見て後悔はしない。
訳が分からなかった
世界観がさすが。
事前の宣伝が一切ないことで、ほぼ全てのキャラクターが初めてスクリーンで出会うし、オリジナルストーリーだから、次はどうなるのか、久しぶりにドキドキしながら楽しめました。
寓話的で、わかりやすいストーリーとは言えないけれど、繰り返しみたら、そのたびに必ず新たな発見がありそうで、味わい深い作品。
でも、あまり深く考えなくても、冒険ファンタジーとして、とても面白いし、アニメーションとしても、素晴らしいから、映画館で観て、良かったです。過去のジブリ作品のオマージュ的なキャラクターやシーンもあって、それを見つける楽しみ方も出来ます。
ただ、わかりやすい起承転結やはっきりした勧善懲悪が好きな人には、向かないかもしれません。
色々と気になる点が残る、中途半端な作品。
一昨日観ましたジブリファンです。
【気になった、感じた事】
●時代背景が戦中〜戦後(確か2年くらい)である理由がよくわからない。
→正直、下手にファンタジー要素を加えた時点でどの時代背景でも良いように感じてしまったし、二番煎じ感が否めない。
●ウエイト的には体感ですけど3(元の世界):7(別の世界)で、取り敢えず宮崎ワールド見せたろ感が中盤〜後半にかけて現れてくる。
→元の世界は戦中戦後で物語は進行しつつも戦の場面は無し、元の世界の舞台はほぼ引越し先の私有地。多分だが、別の世界にスポットをあてたかったのか、時代背景を活かせていない。
●主人公に物足りなさを感じる。
→元の世界でも別の世界でも、過去の作品と比べて必死さ、決意というものが感じ取りづらい。実母や愛した女性ならともかく、義母を助けに行くって設定がまた微妙にさせている。
●別の世界からの脱出→家族が抱きつくシーン→エンディング→え?この先はないの?静止画も無し?という消化不良が発生した。
●『君たちはどう生きるか』というタイトルだったのでメッセージ性溢れる作品かと思いきや、そうでもなかった。(感じ取れなかった)
以上現時点で気になった点ですが、自分的にはやはり時代背景のチョイスは間違っているかなと思っています。母親を死なせたかったからそういう設定にしたのかわかりませんが、自然と主人公の性格が堅苦しくなってしまいますし、それでやるんであれば最後までファンタジー要素抜きでやるべきだった、風立ちぬみたいに。
元の世界でも鳥や建物以外に何か別の世界の要素を加えていれば良かったのですがね。ギャップがありすぎた上に唐突にファンタジーが始まると何がなんだか…。
結果的に中途半端な作品になってしまったと自分はそう感じています。
ただ、ジブリの最新作がみれたという喜びはやはりありますね。レンタルでたらまた観てみようかと思います。
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