「美術作品だな~って思いました。」君たちはどう生きるか 30代女さんの映画レビュー(感想・評価)
美術作品だな~って思いました。
なんとなく映画が見たくなって、やっている映画を検索していたら見つけた作品でした。え、宮崎駿作品?!やってるなんて知らなかった~と思って思わず予約。
名作を残してきた宮崎駿さんが、80代になられた今、どんな作品を通して何を伝えたいと思うのだろうかと、そんなことが気になって見に行きました。
正直、今までのように斬新でワクワクするようなストーリーではなくて、見たこともない世界観を味合わせてくれるような作品でもなくて、心温まる感じとも違うくて、「どうだった?」って聞かれても、「おもしろかった~!!」って言うよりは、「うん、よかったよ~。上手く伝えられないけど、見て、感じてきて~!」って伝えるストーリーでした。
でも、あ~どうせこんな話でしょ。と分かり切った薄いストーリーではなくて、音楽や勢いで感動させるものでもなくて、、うまく伝えられないけれど、宮崎駿さんの思いを感じられる映画でした。宮崎駿さんと対話しているようなそんなストーリーでした。
その時、自分の考えていることや、伝えたいことをストーリーに込めて伝えてこられた宮崎さんだからこそ、今のご年齢で今感じていることを伝えて終わりたかったのかなと。
私が感じたストーリーは、、
「周りからみたら変な点や理不尽なこともある世界でも、意思が積み重なってできたその時代は、築いてきた人たちには、壊したくないかけがえのない世界で、自分の大切な家族にも引き継ぎたいぐらいの世界だったりして、、自分もそうやって、与えられた世界の中で、自分なりの考えや意思を持って自分の世界を作って生きてきました。振り返ると、自分の考えと向き合い続けた人生だったな~と。あんなことを考えた日々もあったし、こんなことを考えた日々もあった・・・でも、そんな私も年をとって、私の世界もそろそろ終盤に向かっています。いつの時代も古い時代が壊れてまた新たな時代が来る。人生や世界とは、意思の積み重ねなんだなぁと改めて感じている今日この頃です。あなたの世界はあなたの意思で築かれる。あなたたちはどんな意思を持って、どんな世界を作っていきますか?」
っていうようなことを言われているように私は受け取りました。いや、、正直、1回見ただけでは細かい描写は拾いきれないし、もっといろいろ込めてるとは思うし、、そもそも私の考えとは全然違うことを伝えているのかもしれない、、、
この作品を通して、自分を見れる。自分がみたい、宮崎駿作品をみれる?美術品のような作品だと思いました。いや、実は今までもそうだったのかもしれない。
また、主人公が、塔を出た瞬間におじさんとの記憶が無くなる感じも、なんとなく、親戚が亡くなった際に、その時は、死と向き合って残りの人生について考えるのに、日常生活に戻ると、忘れてしまっている自分と重なりました。
宮崎駿さんが周りの人やファンに向けたメッセージのような映画なのかな?宮崎駿ファンにはすごくじ~ん。と感慨深い映画でした。これで終わって欲しくはないけれど。宮崎さんのなんだか心に染みわたる絵と世界観が大好きです!まだまだ、魅せて欲しい。
そして、この作品を、広告や宣伝なしで放映することを決めた、鈴木プロデューサーもさすがだなぁって思いました。宮崎駿さんのこの作品に、広告や宣伝に振り回されている世の中への問いかけの思いも乗せて、世に放った作品なのかな~なんて思ったりして。これはただの、私の願望。みなさんも、自分がジブリに期待していたもの、求めていた物、ジブリに感じていて欲しいと思う、自分の意思を確認しに、観に行ってみられたらいいと思います。
やっぱり、一番、宮崎さんの考えと向き合って、信じてきた方なんだろな~。名コンビ。