「他人の内省世界。」君たちはどう生きるか ジョン・ライダーさんの映画レビュー(感想・評価)
他人の内省世界。
宮崎監督作品を劇場で鑑賞するのはナウシカ以来二回目。
好きなのは未来少年コナンとナウシカだけで、ジブリだからとかそういう思い入れは全くありません。
で、本作。
宮崎駿氏の内省世界をひたすら見せられます。
何を作っても許される晩年の大御所監督が作りがちな自身を内省する為の映画で、そこに観客の為のエンタメは無いです。宮崎監督も結局そこに落着しました。
他人の内省世界なので、それは当の本人にしか知りえない世界。
それを見せられて分かった気になる人間もいるだろうし、そうでない人間もいるでしょう。
アニメ作品にありがちですが、考察して分かった気になれるファンなら楽しめる映画だと思います。
個人的に苦手だった点。
アオサギというキャラが登場しますが造形が醜くキャラ自体もウザい。主人公をいざなってしまう重要キャラで割と出ずっぱりですが、単にウザいだけなら別にそういう作品なので問題ないです、ただの嫌いなキャラで済みます。
しかしこれに声をあてている菅田将暉の声や演技が悲惨過ぎてウザさに拍車をかけている。自分には終始コレが引っかかってしまい冷めてしまっていた。やっぱり声優はプロにやってほしい。
単純にエンタメとして楽しもうとする向きには合ってはいませんが、いろいろ想像を巡らせながら鑑賞していけば普通に楽しめます。作画や動画、映像全般は相変わらず素晴らしいし。
ご本人はまだやる気らしいですが年齢的におそらく最後になりそうなので、とくにファンというわけでもなくジブリに思い入れが無いにしても、記念に見ておくのもよいと思います。
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