「宮﨑駿の発散と収束」君たちはどう生きるか hnxxxxさんの映画レビュー(感想・評価)
宮﨑駿の発散と収束
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他の人のレビューを見てしまうと引っ張られそうなので、観た直後に書く。
巨匠、宮﨑駿監督の引退作(今度こそ)なのだろうと感じた。
風立ちぬ、アリエッティ、ハウルの動く城、もののけ姫、千と千尋、紅の豚...と、これまでの作品がフラッシュバックする仕様となっており、映画の作り方としては興味深い、玄人ウケするものだと推察する。
また、作品に散りばめられていたのは、宮﨑監督本人の物だけではない。ファンタジー世界の冒険は、ジブリに影響を受けすぎたと批判された、新海誠監督の星を追う子どもを思い出させるし、最後の主人公の決断は愛弟子庵野秀明監督のエヴァを想起させる。
つまり、この作品はこれまでアニメ界を引っ張ってきた宮﨑監督の自叙伝と次世代へのメッセージなのだ。
アニメを作るというのは半分あの世のような生活を送ることになるし、間違いを犯すと一発アウトになる罠も散りばめられている。これで世の中に送り出せると思っても、途中で外敵にメチャクチャにされてしまうこともある。
そのくせ、コンテンツを消費物としか捉えていない鳥頭に支配され辛い思いばかりする。
それでも現実世界で戦い続ける、それがアニメーターだと、伝えたかったのではないか。
私はもう少し純粋なエンターテイメントを期待しており、評価は星3つとした。(本当は星での評価はしたく無いのだが。)
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