「あなたは、どう生きるか?」君たちはどう生きるか ガッキーさんの映画レビュー(感想・評価)
あなたは、どう生きるか?
色々な意味で話題作ですが、何故ここまで賛否が分かれてしまっているのか。
僭越ながら申し上げさせていただきますが、
本作に登場する山ほどのメタファーが、他でもなく監督の宮崎駿氏自身の、極めて個人的なメッセージへと繋がっています。
そしてーそれを、面白いと思えるか否か、ここで評価が分かれるのではないかと思うのです。
残念ながら私自身の評価は後者で、
そう言った考察によって、本作の難解なメッセージ性が分かった後でさえ、結果的に、面白さに結びついているとはどうしても思えないのです。
スピルバーグ監督の「フェイブルマンズ」に近いと思いますが、私は「フェイブルマンズ」も否定派です。
ただ、良かった点もあります。
作画は本当に見事でした。
ある火事のシーンの、炎で周囲がゆらゆらとうごめき、ドロドロと人や風景が溶けていくような描写。
あの鮮烈さは宮崎駿氏にしか出来ない職人芸でしょう。
そして、米津玄師氏の歌う、歌詞が内容にリンクしている主題歌も素晴らしかったと思います。
ときに、「君たちはどう生きるか」という問いかけのような不思議なタイトルですが、
これは即ち、「問いてる人」がいるということ。
その「問いてる人」は、やはり宮崎駿氏なのでしょうか。
自分は今までの監督人生の集大成を本作で表した。
そして、これを観た観客たち(君たち)の心に、今一度、問いかけたかったのかもしれません。
どう生きるか?と。
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