「巨匠の頭の中を覗くメタ的な面白さ」君たちはどう生きるか あさんの映画レビュー(感想・評価)
巨匠の頭の中を覗くメタ的な面白さ
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映像としても物語としても開始数分が一番引き込まれました。ファンタジーが苦手なこともあり、後半はかなり退屈してしまいました。
過去作のセルフオマージュは意図的なものだと思いますが、ストーリーのプロット的にも人が一生に創り出せる物語の数には限界があるのかな、と感じてしまいました。(えらそうにすみません)
評価するとすれば、作品のメタ的な魅力です。
・巨匠の世界観
長年日本のアニメを牽引してきた巨匠が今何を思うのか。自分の人生への回顧や死生観、これからを生きる人への想いは存分に読み取ることができました。
・言わずもがなの映像美
ストーリーに没頭できない分、作画や背景、音などのこれまでにスタジオジブリが大切に培ってきたであろう技術だけでなく、戦火のシーンなど新しい表現への挑戦に魅了されました。そういう意味では映画館で鑑賞する価値があると思います。
(どうでもいいのですが、古い家具の扉の閉まる音が実家のそれすぎてなんでもないシーンでツボってしまいました)
事前予告なしの公開スタイルについては、長年私たちを魅了してきたスタジオジブリと宮崎監督への期待値の高さは尋常なものではないので、よほど画期的な内容でない限り向かないのではないかと思います。
今後、監督が積み木を渡したのであろうエンドロールに名を連ねる皆さんが創り出す新しい世界を楽しみにしています。
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