「なぜパロディまみれだったのか」君たちはどう生きるか 〓〓〓さんの映画レビュー(感想・評価)
なぜパロディまみれだったのか
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わざとである。
「どっかで見たキャラ」「どっかで見た演出」「どっかで見たアングル」が大量に散りばめられており、「ジブリあるある」を自分でやってるような映画である。
最初は「ネタが尽きたか。自分の過去作品からアイデア拾ってくるとは」と思うかもしれないが、もしこのセルフパロディ要素が全て「わざと」だとすると妙に辻褄が合う。
おそらくハヤオは「ジブリあるある」をこの映画で意図的にやっている。
その中を旅させることでこの世界(ジブリ)は厳しい現実から一時的に逃れるための虚構であったと、ある種の自己否定をしている。
ただそれだけではなく、ジブリを見て育った我々や影響を受けた次の世代のアニメ監督などの「確かな存在」に対して石(意思)を託し、「現実と向き合い自らの意思で考えよ」「次に目を向けよ」と背中を押しているのだ。
つまりこれは「ジブリを見てきた君たちはどう生きるか」が本当のタイトルだったというわけである。
「やがて忘れるだろう。じゃあな、トモダチ」
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