「シェフ・ミヤザキの問題作」君たちはどう生きるか めんたいこさんの映画レビュー(感想・評価)
シェフ・ミヤザキの問題作
ジブリは国民食だ。
例えるならラーメン。毎年金曜ロードショーで繰り返される『天空の城ラピュタ』や『風の谷のナウシカ』はなじみの中華料理屋の一杯。渦巻き模様のどんぶりで、メンマ、ナルトが乗ってるような。
設定もりもりの『千と千尋の神隠し』は背脂たっぷり二郎系ラーメン、結核妻の横での喫煙シーンで物議をかもしつつも昭和男のナルシズムを描き切った『風立ちぬ』は激辛蒙古タンメン中本といったところだろうか。
今回は一体どんなラーメンを食べさせてくれるのか......
巨匠宮崎駿......
のれんをくぐって出食わしたのは、創作フレンチのような傑物。
一つ一つの素材は美味しい味がするが、一向に食べ方がわからない。全体としてこれは何という料理だったのか、名前もわからない。シェフのネームバリューがあるので、まずいとは言い出せない。食べ方がよくわからなかったが美味しかった気がする、なんて無難な感想を持ちながら劇場を後にする。
また別の例えをするなら、事前情報なしに初めて蟹を食べようとしたときのような。細かくとれたほぐし身はおいしいが、全体としてどう食べればいいのか正解がわからない、的な。
料理の仕方か、
食べ方の説明があれば、
もっといい映画になったんじゃないかなあ、という作品。
なんとなく惜しさがあるような。
とりあえず、ごちそうさまでした。
でもごめんなさい、星は2つぐらいです。
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