「素晴らしい。大切な人を亡くしたことがある人なら、とくに深く沁み入ると思います。」君たちはどう生きるか kalesalad1さんの映画レビュー(感想・評価)
素晴らしい。大切な人を亡くしたことがある人なら、とくに深く沁み入ると思います。
公開されてから、全体構成について、わかりづらいとか、ついていけなかった、というレビューが複数目に入ったので、果たして自分に理解できるか、すこし心配な気持ちでスクリーンの前に座りました。全体のストーリー(プロット)は、主人公や周囲の治癒・成長とともにあり、大切な人とトラウマを負うような別れ方をした人なら、多かれ少なかれ経験したことのあるような、起きているときも、寝ているときも、現実と非現実を、行ったり来たりしているような感覚と似ていると思いました。また、事前知識として、「君たちはどう生きるか(吉野源三郎 著)」と「失われたものたちの本(ジョン・コナリー 著)」の内容を知っていたことで、急速な話の展開に翻弄されずに、本作品が視聴者に必死に投げかけてくる課題を受けとれたのかもしれません。
これまでの宮崎作品が交響曲だったとしたら、この作品は、すべてをつなぐ最終楽章だったように感じました。この作品をみると、もう一度、これまでの作品をすべて観たくなるような衝動にかられます。ジブリ映画で育ったわたしたちへ、宮崎監督から愛のこもったコミュニケーションがここにはたくさん詰まっていると思います。
終盤は、涙がとまりませんでした。
コメントする