劇場公開日 2023年7月14日

「宮崎論」君たちはどう生きるか たけ(c)さんの映画レビュー(感想・評価)

4.5宮崎論

2023年7月16日
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うん、難しい。

うん、確かに多くの人が言うように、解釈しづらいシーンの連続ですよ、サギは何者?とか、あの人物は誰?何?とか。
まあ、一部は調べれば解る事も有るんですけど、例えば父の再婚相手が母の妹とか、戦時中は戦死者の兄弟と再婚するって普通に有ったそうです。

で、上に書いた理解の難しいシーンなんですが、たぶんアレってマヒトの精神内のお話、つまりは宮崎駿の心の中での出来事だと思うんです。
だとしたら理解出来無くて当たり前ですよ、個人のイメージなんだもん。ちゃんと意味は有るんだろうけどたぶん解んなくても良いと思うんです、マヒトの意志さえ汲み取れば良いと思うんです。

マヒトがイメージの世界に入った瞬間って、石で頭殴ったトコからですよね、作画にこだわる宮崎駿があんな不自然な大量出血ですよ、あれは心の出血なんじゃないでしょうか。
母の死、父の再婚、新しい母、戦争の道具を作る父の仕事、そして何よりずるい自分自身。
マヒトはそれら全てが許せず、それらと対峙する世界に入ったんじゃないでしょうか、言わば冒険です。

そうそう未来少年コナン以降の宮崎作品に登場する男性主人公って全て宮崎駿本人だと思うんですよ、コナンもパズーもトンボもアシタカも、ルパンですら。

無垢な少年が少女と出会い、少女は世界の秘密のカギを握っており、2人は冒険に出て、仲間の協力を得たりして、冒険の末世界の秘密を知り、決着を付ける、そして平和が訪れた故郷へ着地。

たぶん宮崎作品てコレなんですよ、少年は宮崎駿本人。
さて、今作で少女の正体が解りました。

やっぱ母だったんですよラナもクラリスもナウシカもサンも。

永田製麺
Kazu Annさんのコメント
2023年8月27日

成る程、「心の出血」ですか!
「母の死、父の再婚、新しい母、戦争の道具を作る父の仕事、そして何よりずるい自分自身」。「マヒトはそれら全てが許せず」。

言われてみれば確かに。ずっと石による大量出血描写にモヤモヤしていましたが、とてもスッキリとした思いがしました。ありがございます。

Kazu Ann
かせさんさんのコメント
2023年8月9日

宮崎監督の内面論は、自分も同意です。

かせさん
永田製麺さんのコメント
2023年7月17日

2日考えて思ったけど、マヒトの意志だけ追ってもダメだわ夏子の意志も大きく汲まないと。

永田製麺