「英語題は『The Boy and The Heron(少年とアオサギ)』」君たちはどう生きるか TWDeraさんの映画レビュー(感想・評価)
英語題は『The Boy and The Heron(少年とアオサギ)』
私がアニメ映画を評するとき、決まって「自分はアニメ門外漢」と言い訳から入りますが、実際にわかりやすく言えば、ジブリ作品ですら『魔女の宅急便(89)』で止まっていてそれ以来。正直な言い方をすれば、積極的に観てこなかっただけなのですが、そもそもジブリは配信だと観られないこともあり、今回は「むしろ観やすい」という考えから劇場鑑賞に踏み切りました。公開週の土曜午前中、新宿ピカデリーのシアター1は客入り7割ってところですかね。公開館数が多いのもあると思いますが、今作は宣伝を控えたのも影響してるのか意外と空いていました。
それにしても、アニメ作品の映画評は荒れがちですね。昔ながらのファンや、マニアの方の「愛憎」が入り混じった感じもありますが、やや戸惑いを感じている方も多い印象です。
私としても「一度観ただけでは解った気にはなれない」と感じましたが、それでも低評価は付けようがなく、何なら終盤は感情が揺らされる展開も。割とシンプルで小さい話ですが、宮崎監督お得意(?)のスピリチュアルな世界観に移行していく展開と表現に「芸術性」を感じます。
ただ、彼にとってのリアリティなのかもしれませんが、時代をそこに設定するとどうしても「懐古主義」的なものを想像したり(その時代である絶対的な意味はないような気がします)、特にアニメを愛する人って想像力高い人が多いのだし、敢えてその題名にするところに何か「説教臭さ」みたいな思い込みが邪魔してしまう印象も否めません。
出てくるキャラクターたちは全般可愛らしいし、ただ子供が観て怖いと感じる部分無くもないですが、まぁこの題名ですから監督しては「若者」に向けて作ってるのかな?引退宣言撤回してまで作られたわけですが、逆にそのプロセスが余計なハードルになっている気がしますし、予告編はおろか公式ページにおける情報すら一切なしって「若者」に届くのいつになるんだろうって気もするし、何かモヤモヤは否めません。
ただ、一作品としては良作だと思います。まぁ「門外漢」スタンスでいさせてもらい、評価の動向を傍観です。