「宮崎駿監督の人生そのもの」君たちはどう生きるか Meimeiさんの映画レビュー(感想・評価)
宮崎駿監督の人生そのもの
宮崎駿監督が興行収入とか気にせずに、今好きなように作ったらこうなるんだろうな、と思いました。見終わった後、ほとんどの人が「なんか凄い気がするけど、意味がわからない!」となりそうな作品。
私が思うに、おそらくこの映画に伝えたい想いなどはないんだろうな。と。
宮崎駿監督の生い立ちがかなり近しく映画に反映されているところを見ると、自分の半生を走馬灯のように思い出しながら、ご自身のやり方で自分の人生を表現なさったんだろうな、と思います。
あの時声をあげればよかったな、とか。
母への想いとか。
そういう自分の後悔から大切にしていたことまで、走馬灯や夢のように自分の人生を回想してらっしゃるんっだろうと思いました。過去や未来やあの世やこの世がぐちゃぐちゃです。
そのぐちゃぐちゃな世界が、燃え上がる炎、人混みを走り抜ける臨場感、大群で迫ってくる鳥の不気味さなどさすがな表現力で描かれているので見る方はただ圧巻。
きっと一般ウケはしないし、その意味で予算も見込めないし、、だけど人に受け入れられる物を作りたいわけではないし、ということでこのような宣伝手法になったのかな、と思います。
この映画の積み木や鳥などの細かなイメージに意味はないのではないでしょうか。
監督の中にある人生においてのそれぞれの概念に一番近いものをはめ込んでるんだと思います。アート作品のような、ぼんやりと作者の内面を感じる。
伝えたいメッセージも具体的なものとしてはないような。。。。
あるとすれば感受性が豊かな壮大な人生を見せつけられて、その上で、
「君たちはどう生きるか」という問いかけです。
宮崎監督、こんな映画を作れてよかったですね!!私も見られてよかったです!!
最後に、声優で参加されていた菅田将暉さん、すごかったです。
ゾッとする不気味さもありつつチャーミングさもあって。
すごい役者さんだな〜