劇場公開日 2023年7月14日

「きっと「時代」が宮崎駿という人を再び作画の世界へと連れ戻し、この作品を残したのだと思う。」君たちはどう生きるか 星組さんの映画レビュー(感想・評価)

4.5きっと「時代」が宮崎駿という人を再び作画の世界へと連れ戻し、この作品を残したのだと思う。

2023年7月14日
PCから投稿

「少年の試練」

「あの時代」は宮崎監督の心の中なのか?
物語は、少年のトラウマは、そこから始まった。
感情を失った少年の姿。
訪れた屋敷は最初の別世界であり
虚無から解き放たれる切っ掛けの場所。
鳥の正体は案内役か?夢の操り役か?
何故アオサギ?助言役?本当は何?
謎だから、不思議だから、探求出来る。

「心の解放〜新しい自分」

その出来事から自分を失った少年は
不思議な出来事の中、絆に支えられ
手に取った母からの贈り物に涙した。
そしてあの世界へと入って行き
己の生きる場所と姿勢を決めた。
ラストは元の世界へ帰る…と理解。

※ ※ ※ ※ ※

欲を言えば、もう少し長くても良いのでは…。
訳はあの世界に住む者たちの関係性の部分が
気持ちの中に入ってこなかったからだ。
そこに居たい知りたいという気持ちが強く残り
あと10分、いや20分長くても良いと感じた。
物語に長く浸りたいというだけかも知れないが
彼らを作り出した人の思いを受け止めたかった。

過去作品のイメージ。独特な趣き。色彩の匂い。
これが宮崎駿監督が作る最後の長編作品と思うと
「今まで世に送り出した豊かな作品に感謝します」
この言葉しか思い浮かばない。

星組