「高校生ながら考えさせられました」君たちはどう生きるか 逆三角さんの映画レビュー(感想・評価)
高校生ながら考えさせられました
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ストーリーとしての面白さはあまりなく、引退したけど湧き上がってきた監督の表現したいことを詰め込んだような作品であると感じた。登場人物達の感情の動きというよりは、その登場人物たちの生きている世界のあり方を重視して描いているように感じられ、感情移入などをするというより、自分達に考えさせる作品となったと思う。タイトルが「君たちはどう生きるか」というなげかけになっていることからも、監督が捉える世界を映画として表現し、そこからみんなはどう考える?と問いかける作品に感じた。
過去の作品にも見られるような宮崎駿監督の自然に対する畏敬の念は随所に感じられた。また、今回の作品は生と死とを横断するような世界、また、時間が交錯したような世界が舞台となっている点で、自分たちが生きる宇宙といった広い世界の解釈を与えてくれるように感じた。
事前情報が一切ないため、多様な観客層が集まり、求めているものと違ったと感じる人が多くでてきてしまうと思うが、逆にいえば普段見ないようなジャンルに飛び込む機会となると思う。特に今回のような観客側の解釈しようとする態度が求められる作品において、現代の受動的な情報の触れ方に慣れている人たちに、自分で、深く、考えてみる、機会をもたらすことはとても意味があるように思える。
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