「………どゆこと?」君たちはどう生きるか イーグルさんの映画レビュー(感想・評価)
………どゆこと?
誰もが事前情報無しで鑑賞したことでしょう。それにより初見のインパクトは爆発的でした。
冒頭のシーンから「これ戦争モノ?」と感じたり、青鷺が着ぐるみおじさんだったり、パパがキムタクだったり。
………でもそれだけでした。
母の死。突然の父の再婚。継母とお腹の子。主人公のマヒトが目まぐるしく変わる環境に感情移入はしました。
喋る青鷺に連れられて「塔の向こう」に行くというストーリーはいい。
でもなんで継母が「塔の向こう」で出産したかったの?
なんで継母は誰にも言わずに一人で行ったの?誰かに操られてたの?
そもそも「塔の向こう」は"死後の世界"に似た場所でいいの?
「塔の向こう」の住人はどういう人達なの?
喋るインコや、火を使うヒミーはどういう存在なの?
おばあちゃんズ、もといキリコさんは前は向こうにいたの?
あの活発なキリコさんだけなんで一人で漁をして暮らしていたの?過去の姿なの?
継母の顔が似てたのは母の妹だから?
その妹とパパは浮気してたの?
積み木が崩れて世界が滅んだから何?現実世界も崩壊するの?
それに立ち向かうストーリーとかじゃないの?
お母さんの遺した「君たちはどう生きるか」は関係無いの?
プロローグからエピローグまで終始「?」マークが頭に浮かんで映画を観たのは初めてです。
なんというか…「庵野秀明の真似した駿」な印象の今作でした。
説明するしないに関わらず全体的に抑揚が無さすぎて退屈。久石譲さんの音楽に頼りすぎでは?米津玄師は無罪。
ワラワラとか、血まみれのペリカンといい、特に伏線でもないキャラクターや場面が多すぎたと思う。もうちょい添削したら見やすくなる。
ジブリ系ファンタジーは戦前戦後より、ラピュタみたいな外国だったり、ポニョみたいな現代でやって欲しかった。
というかこれ「メアリと魔女の花」の二番煎じ。
視聴者置き去り系ファンタジーはもうこりごりだったのにな。
追記)
何よりエンディングが尻切れすぎる。
「あれから二年経って東京に帰ることになった〜」の一言で締めるのにビックリした。
ラピュタで例えるなら、崩壊するラピュタをシータとパズーが眺めてると突然ナレーションが入る。
「その後…僕とシータは海賊のおばさん達に見つけてもらって地上へと帰った──」
で、君をのせて♪が流れ始めたようなものです。カタルシスがムスカと共に滅んじゃったよ。
塔の残骸を眺めて何かを思い出しそうになる、とか。
家を出る時、再び軒下を横切った青鷺が「じゃあな、トモダチ」と喋って何かを思い出しそうになる、とか。
忘れてしまったとはいえ、話の畳み方が不完全燃焼です。
本当に全体的によくわからなかったので誰かの考察とかを見た方がいいかもです。
それか同名のあの本を読むとか。全く関係ないらしいけど。
以下せめてもの鑑賞ポイント
・四足歩行マヒト
・キムタク声のパパ
・若干サイコ味ある継母
・ジブリ系おばあちゃんズ
・喋ると思った青鷺(菅田将暉?)
・病み上がりに弓矢クラフト、青羽を添えて
・10秒で書けるマスコットキャラ
・トトロと同じ動きの炎魔法
・随所に見れらるジブリ過去作を彷彿させる場面
・「二年後、戦争が終わって東京に帰ることになった」……完。
↓どうぞ気軽にコメントや感想を呟いてください。
IBUIBUさん
ネームバリューのある俳優を起用しているのは鈴木プロデューサーですね。宣伝効果があるからだとか。アテレコも上手い俳優は確かにいますが、まあまあではダメですね。テストしてダメだったらネームバリューに関係なく上手な人(俳優でも声優でも)に代えろよといつも思います。
すばらしい言語化力! 貴方は私?というぐらい、うなずきまくりで
>「庵野秀明の真似した駿」な印象の今作でした。
ほんとこれ。中二病的でした。感染っちゃたね。
>トトロと同じ動きの炎魔法
爆笑!
確かに途中から何か見せられてるんだろう。というのがありましたが、あの謎世界の設定やら何やらは千と千尋みたいな中毒性があって、何回も見ないとやからないと思います。眞人の精神面が大いに世界に反映されてるだろうし、キリコさんはたまたま巻き込まれて登場人物になってたのかもしれないし。眞人のお母さんは小さい時に将来の自分の子と会ってたていう設定なのかな。にしてもタイトルでなんか損してる気がするんですよね。まーとりあえずリピート作品だと思いますよ。
ほんとそれ。
意味が分からなさすぎて、
途中退場しようかなとまで私思いました。
本当の意味でどう生きるか、
考えるきっかけになるかななんて
甘い期待は早々に粉々になりました笑笑
宮崎駿の人生とジブリの成り立ちの出来事1つ1つに“ファンタジーの皮”を被せて繋ぎ合わせた、みたいな映画らしく、それを読み解くことで面白さを感じる方には最高な作品なのもわかるんですが、私は別に宮崎駿の人生やジブリの歴史を読み解くことに興味ないので、それなら先に教えてよ……という感じでした。
その“皮”を作り込んでインパクトは出せたけど、まさにそれだけ……。
今までのジブリのように素晴らしいテーマがあるはずと思って見ていても、姉妹を両方愛する父親と情緒不安定な継母をすぐ受け入れ、死ぬこと確定な実母をサクッと送り出す少年から素敵なテーマも感じられず、ずっと?でした。謎の石と契約して大叔父さんの跡継いで世界を守ってよ!やだ!世界終わり!な展開も良さが理解できませんし。。
宮崎駿作と言うよりは、ジブリで駿くんの卒業論文を皆で手伝って作成みたいな事なのかな?実際は解らないけども。あの芸能人キャスティング嫌いだけど、駿くんさほど絡んでない可能性もあるし。鈴木氏とかね、正直あまりね、好きじゃないかな。離れて独自の会社作って身軽になったらいいのに。とは思うが、それには20年遅かったかな。米の大企業社長は身軽になる為にそういう事するよね。
結論の分かりやすいお話が好きなのですね。ならば仕方ないと思います。ただ、「メアリと魔女の〜」は宮﨑駿を薄めたもので、今回のは濃縮したものだと思いますので似て非なるものかと。共通点は分からないところだけなので、二番煎じではないように思います。
また久石譲さんの楽曲は今回ほとんど目立っていない、記憶に残らないような印象でしたから、大して頼ることはできていないのでは。
普通のアニメの見方でおもしろくないと感じるのは分かります。特殊な構成でしたしね。個人的には面白かったです。
前提となる知識などが無いと意味が分からないというのは、どちらかといえば高畑勲の流儀と感じました。多分、これでも「分かりやすくした」ほうなのでは?また、シンエヴァではユーミンの曲を使うなどジブリへの繋がりが感じられましたが、こちらではシンウルトラマンの米津玄師を使ったというのが返礼のようにも思われました。それから、シンエヴァのセルフオマージュと比べると、こちらの方は作品数が多いので、より王冠感は出ていたように思います。
これは宮崎駿が生まれる物語であり、正真正銘遺作、遺言です。
ラストに登場する夏子の子供が宮崎駿自身です。これは宮崎駿がこの世に産まれる前の、産まれるための物語だったんです。そしてこの物語の後の話は宮崎駿の現実の人生。その人生は82年後の現在まで続いています。文字通り、私はこう生きた→「君たちはどう生きるか?」という宮崎駿からの私達への問だと思います。
考察でした。
げし様
庵野秀明の世界観は唯一無二と再認識しましたね。
ありがとう、全ての鈴原トウジ。
まなつ様
現代の尺度では考えられない時代背景だったのですね。
でも初対面で「母」と名乗る人物の妊娠したお腹に半ば無理やり触らせるのはおぞましいです。誰でも。
イーグルさん初めてまして
強烈ですね。最高です。
私は、宮崎駿監督作品はカリオストロの城を除いて、肌に合わないんです。周りからは変人扱いです。
世の中にはこんな奴も存在するのです。
ただ多くの視聴者は純粋にエンターテイメントを楽しみたかったのに残念でならないです。子供も老人も楽しませつつ、言いたいことを忍ばせるのが本来。多くの人がイーグルさんに共感してるのも自然だと思います。私も全く楽しめません。深い考察なんてしてみてもね。
私が言いたかったことを全て言語化してくださってるレビューで感動しました!
折々に「庵野秀明」を感じたのでまさにと思いました。
ストーリーが分かりそうになると、途端に分からなくなるという不思議な体験でした。
雀の子様
マーニー感も納得です笑
タロットの塔を暗示してたのはありえるかもですね。
ヒミコ綾野様
結局マヒトが「父の気を引くために自傷行為した」と大爺さんに自白しただけでしたね笑
ジブリなのに何も唆られない作品になっちゃいました。
まったく同感なコメントを有難うございます!!君たちはどう生きるかと言うタイトルと戦争背景からして、それぞれの家庭問題を抱えた思春期の若者たちが、色々体験をして生き方を模索する映画なのかなと思っていたら、訳の分からないファンタジーで超絶がっかりでした╮(╯_╰)╭
Nina様
自分声優オタクなのでたいがいの人なら声を当てることが出来ます。
キムタクはハウルの頃からインプットしてます笑
pink whale様
マヒトの成長か、継母と打ち解けるのか、テーマもキャラの掘り下げも雑でしたね。
速攻魔法"青鷺の羽"で相手を追尾することが出来ます笑
ほんと似たような疑問を持ちました。継母のなつ子の情緒不安定は、実際あの態度をとったというより義理の息子への女性の本能的な戸惑いをファンタジー描写として描いたのかなと解釈しました。
たけぼう氏は他の方のレビューにも同じことを書いているので、スルーした方がよさそうです……
正に視聴者置き去り系ファンタジーですね。
まさか宮崎駿の映画でこんなものを見るとは思いませんでした。
しかし、どうしてファンタジーの世界の皆はああも訳知り顔なんですかね?
もう意味がわからないです。
死んだ人と繋がるとか、あっちに行きそうになった継母を連れ戻すというストーリーは素敵なので、もっとなんとかできたのでは?ととても残念に思いました。
あの既視感あるシーンはこれまでの作品へのオマージュ?なんでしょうかね。
たつのり様
強いて言えばガンダムの「君は生き延びることができるか」の方がまだ近いですね。ニュアンス的に。
たけぼう様
貴方ほどの死生観をお持ちでないと今作は楽しめなさそうですね。感服します。
「風立ちぬ」での共演で何かインスピレーションでも受けたかは定かじゃないですが、これはあまりにもw
言語化しきれてない不満が多々ありますがレビューしきれないです。
うわ〜、、、自分の言いたいこと全て詰まってるレビューです...!
私も終始、頭の上に疑問符が浮かんでました。「庵野秀明の真似した駿」という表現、本作にあまりにピッタリです。秀逸過ぎます。