「「オオカミ」とは誰か」オオカミ狩り NENEさんの映画レビュー(感想・評価)
「オオカミ」とは誰か
クリックして本文を読む
怪物vs犯罪者たちの血みどろ殺し合いムービー、だけかと思ってましたが、そうじゃなかったですね。
これは個人の感想であり、政治や国など全てフラットでただ単純に映画の考察として書きますので、ご認識お願いいたします。
船で眠っていた怪物アルファが殺されるとき、獣が調子に乗るな」「獣が人間の真似をするな」といったセリフがあったが、
私はここに違和感を感じて、エンドロールまでずっとその意味を考えた。
なぜなら、作中、あれだけ犯罪者・警官たちを狩りまくったはずの怪物アルファが「オオカミ」だったから。
てっきり怪物アルファが犯罪者たちオオカミを狩りまくりますよ、っていうタイトルだと思っていたが、そうじゃないらしい。
アルファは狩られる側の「オオカミ」だった。
アルファは戦時中、日本軍の捕虜だった。
これは731部隊から着想を得ているのだろう、事実人体実験を行なっていたし、韓国人の友人から、韓国では歴史の教科書で時間をかけて習うと言われたほど韓国側では深く刻み込まれている歴史だ。
そして狩る側だった、元捕虜であり、圧倒的な力を持ちながら自分たちで新たなハイブリッドアルファを生み出している男性たち。
うーん。
狩る側、狩られる側、とは。
「獣が人間の真似をするな」。
なるほどなあ。
監督も1人の人間ですから、私はこういう、映画の中に垣間見える散りばめられた意思を考察するのも、また1つ映画の面白いところだなと思います。
コメントする