プロミスト・ランドのレビュー・感想・評価
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雰囲気と役者は抜群!
レビューのまとめとして。
他人には薦めにくい。しかし映画好きには「ああ、あれね!」と少し得意げに言える作品。
しかしとにかく心が動かない。
原作からリアルな熊狩りの様子を昭和を舞台に映画にした。
といえばそれまでだが、ほんとにそれだけなのがおしい。惜しすぎる!
寛一郎さんの色気は全盛期の銀幕スターのそれだと感じた。
映画は評価されなくとも、彼自身は大いに評価されて欲しい。評価の星はその分の星。
彼だけ評価対象なら★5でも足りないくらい。
以下、映画の冒頭からの補足レビュー
冒頭の大事な熊狩りに関する話し合い、なまりが強く聞き取れない。
ただただ熊を狩りたい。でも上が言うからダメだ!というくらいはわかるが
大事な主張、感情を込めたセリフが聞き取れないのがつらかった。
映画は早戻しできないしね。
映画の技法をうまく使いました。会話を思い切ってカットし編集頑張りました。
自然への畏敬の念を表しました。余白を良い感じ風に残しました。
すごいでしょう!という感じ。
なんとなく「悪は存在しない」に似た部分を感じたが
こちらの方がストーリーがはっきりしているし役者の魅力が光る。
映画好きならこれを面白いといわないといけない雰囲気をビシビシ感じるが
それを露骨に感じさせすぎているのが私には合わなかった。
映画のインフルエンサーとか宣伝広告をめちゃ頑張ると
世間は「これなんかいいんじゃね?」となる可能性を感じる。
もう1本の映画、「MATAGI」とともに作られた本作。
その制作の話を知っているとどうしても、急ぎでついでで撮った感を感じてしまう。
それを消して欲しかった。端折られた会話を補う深みが感じられなかった。
淡々とした会話劇の中で、若者たちと自然との距離感が滲み出てくる
2024.7.11 アップリンク京都
2024年の日本映画(89分、G)
原作は飯嶋友和の小説『プロミスト・ランド(『汝ふたたび故郷へ帰れず』所収)
マタギとして生きる青年と、地元の風習に懐疑的な青年の「最後の狩り」を描いたヒューマンドラマ
監督&脚本は飯島将史
物語の舞台は、東北地方のある村(ロケ地は山形県鶴岡市大鳥)
そこでマタギとした生きてきた礼二郎(寛一郎)と、地元の風習に馴染めない弟分の信行(杉田雷鱗)は、行政が決めた熊の狩猟禁止に憤りを覚えていた
礼二郎は決定を不服と史、信行は仕方ないと思いながらも、兄貴分の礼二郎を真っ向からは否定できない
マタギ衆の親方・下山(小林薫)は、狩りを行えば密猟になるとして、「今年の山はなしだ」と断言した
物語は、その決定に従えない礼二郎が信行を連れて山に入り、熊狩りをする様子が描かれていく
山に入ってからは、ほぼ二人だけの会話劇で、礼二郎と信行の隠された本音というものが描かれて行く
礼二郎は「人間はやりたいことをするようにできている」と言い、実家の養鶏場の後継が差し迫っている信行は、自分の将来と向き合うことになっていく
熊狩りの実態を描いている内容で、年に1頭も狩りをしない現状であるとか、禁止措置をする以外にやるべきことがあるだろうというメッセージが込められている
また、礼二郎の狩りを誤魔化そうとして、熊の肉を地面に植えようとする下山たちに対して、彼は自然に対する畏敬を捨てるべきではないと哲学を貫いていく
彼らが熊を仕留めた後の所作もそれを示しているものであり、その辺りをリアルに描写しているように思えた
いずれにせよ、エンタメ性はかなり低い作品になっていて、一歩間違えばドキュメンタリーかヒーリング効果の高い作品のように思える
さすがに熊を実際に仕留めたということはないと思うが、熊の血を啜るシーンなどは妙にリアルに思える
映画の良し悪しは、マタギへの興味とか、自然に対する人間の向き合い方などに依ると思うので、単なるエンタメとして見るとしんどいかもしれません
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