「炭治郎の生き様は勇者のごとし!」「鬼滅の刃」上弦集結、そして刀鍛冶の里へ 三輪さんの映画レビュー(感想・評価)
炭治郎の生き様は勇者のごとし!
前半での戦いの映像シーンは、日本のアニメの底力を見せつけてくれるような迫力と美しさがあります。そして、それぞれの登場人物にハマった声優たちの、ありったけの能力を駆使した叫びに心が揺さぶられました。テレビ展開されたものとはいえ、その高度な創作物は、どんな地に住む人々の感情をも沸騰させるに違いないと思います。戦闘シーンのスピード感は半端ないですが、それでも追いついて観ていけるように配慮された映像に感服です。ヒーローである炭治郎の戦いは、私たちにどんなことがあっても諦めるな、極限まで生きて戦えと叱咤激励しているような気がします。たとえどんな困難があったとしても、強き心は限界を突破して勝利を必ずもぎ取れると教えてくれています。また、いろんな場面で金言が発せられますが、興味深い言霊がたくさん聞けます。例えば禰󠄀豆子が言います。「幸せとは考え方次第だ。今に生きることが大切だ」と炭治郎を諭します。その激励は炭治郎を奮起させますが、まさに宝の言葉でしょう。さらに後半のストーリーは、炭治郎の穏やかな静養生活が繰り広げられますが、その一コマ一コマがとても魅力的で飽きません。もちろん、お得意のギャグが炸裂しますが、その馬鹿馬鹿しさが、自然と観るものを癒してくれる不思議な力に、この作品の深い魅力を感じます。いずれにしても大スクリーンで観られたことに感謝しつつ、ラストの戦いに対する期待は膨張していくばかりです。
鬼滅の刃の人間たちは、「呼吸」を使えば使うほど体にダメージを追うという設定がまた緊迫感を増してますね。
マンガ家の島本和彦が、YouTubeで『はじめの一歩』を絶賛していて、その理由が「梶原一騎のイズムを受け継いでいる!」「主人公は必殺技を出すと命が削られる所がいい!」と。
使い所を選ばなければならないからこそ、物語の切迫度が増すのだ、と思いました。