「雑に畳み過ぎてラストが酷かった…」しん次元!クレヨンしんちゃんTHE MOVIE 超能力大決戦 とべとべ手巻き寿司 かずくんさんの映画レビュー(感想・評価)
雑に畳み過ぎてラストが酷かった…
この際しんちゃんだからストーリーラインがないのは良いとしよう。
ラストシーンが雑な上にあの応援の仕方、
流石に許せないわ…。
もっと時間かけてよかったでしょ…。
そこまで酷い話でもなく、
現実で虐げられて生きている非理谷が、
とんでもパワーを手に入れて暴走する話。
親は多忙で子供の頃から孤独。
肝心の親は離婚して再婚。
小中ではカツアゲされるし…。
そんな鬱的レベルな展開をしながら、
報復方法がかなり幼稚…というよりか…、
非理谷自身の優しさなり「憎しみ」というのが…。
やっている事自体は子供の癇癪と同じ。
規模感が器物破損に立て篭もりと法に触れるやつ…。
まぁガッツリアウトだけどね。
幼稚園破壊して逃亡するし…、
かすかべ防衛隊のメンタルは強いし…。
しんちゃんらしいギャグシーンを混ぜときながら、
あまりに前半2/3との天秤がラストシーンで取れていない。
すっかりギャグ路線で向かうから、
「大人向け…?だったっけこれ」と疑うレベル。
と思ったらトンデモ造形のでかいバケモン…。
子どもたちを泣かせる気だなこれ。
体内で起こるのは幼い非理谷としんちゃんの共闘シーン。
ところで、いいんだろうかこのシーン。
普通に中学生が幼稚園児殴っちゃうし、
子供向けだから血は出てないにしろかなり深手…。
んー、何を伝えたい。
このシーンで「子供の純真さに救われる展開」を見せたかったんだろうけど、
暴力に暴力で解決する、
「毒には毒を」戦法は良くなかったんじゃないかな…。
子どもたちに伝えたいのは暴力では無いだろう…。
まぁお決まりの展開になってるからなんとも言えないけど。
さて、問題はラストシーンだ。
「時間がない!」「伝えたいことは伝える!」と雑にした結果が、「頑張るしかないんだよ」という言葉。
しかもそれを「野原ひろし」に言わせたのが間違い。
無駄に名言っぽいことは言わせなくていいんだよ!
突然説教ぽいこと始める意味はないだろ。
非理谷は非理谷なりに頑張ってうまく行かなくて絶望してんのにさ…。
確かに頑張るしかないのは事実だけど、
時間が無いからって雑に応援させて感動の展開!
…みたいにするのは間違いすぎる。
過去のしんちゃんの映画みたいに無理矢理しようとして、
大人からしたら逆効果になってるのだが…。
この脚本とストーリーで大人、特に若い世代は響かないぞ?
現代社会の異常性を描きつつも、
それ自体もあまり活かせてないし…、
テーマがテーマなだけに、
全体のバランス自体は整えてほしかったかな…。
3Dにしたことによる良さはカメラワークぐらいかな?
わざわざ3Dにした意味は正直無い。
…色々勿体無いなぁ。
しんちゃんとしてではなく、
邦画のテーマとして別口で見たいかな。
取り敢えず楽しめるとは思うけど、
僕みたいに穿った見方すると最後のシーンが嫌いになりそう