658km、陽子の旅のレビュー・感想・評価
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658kmの中で見えたものは何か
完成披露試写会にて。
「サービスエリアに置いていかれたアラフォーの女性が父親の葬儀の為にヒッチハイクで青森向かう。果たして間に合うのか?」
という前情報だけ得ていた為、コメディなのかな?くらいの気持ちで観始めた結果…
非常に余韻の残る現時点で2023年ベスト映画になりました。
まず、菊地凛子さん演じる陽子が本当に陽子で、陽子にしか見えなくて、憑依ってこういうことを言うんだなと。
撮影中、「役が憑依しているのか待ち時間なども全く会話をしなかった」と共演者の方々が話していました。
海のシーンは心が痛くて、福島での吉澤健さんとシーンも好き。
ラストシーンがまたいいんです。
「台本に雪が降ったいると書いてあって、本当に撮影当日雪が降った」と試写会内でお話ししてました。
ラストシーンからの余韻の残る終わり方がとても好きです。
人の優しさに触れたり、傷付けられたり、東北道を走るのでメインテーマではないですが至る所に震災の爪痕が映ります。
劇的なことが起こるわけではないけれど、心の奥に響く。
陽子と一緒に泣いて叫んで、共に旅した658kmでした。
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