「時は止まり、そして動く」658km、陽子の旅 マツドンさんの映画レビュー(感想・評価)
時は止まり、そして動く
クリックして本文を読む
陽子が18で上京してまでやりたかったことは何なのだろう。
「誘われて寝るの初めてじゃないんでしょ」とライターに指摘されたように、初めてではないとしたら、彼女の夢と無関係ではないだろう。
いわゆる枕営業?だとしたら彼女の夢は、例えば俳優?
作家やミュージシャンと枕営業ってつながりにくい(寡聞なだけか?)から、でも何かの表現者になりたかった。それが自然かな。
枕営業が父親に知れて、殴られた?
そして、帰るに帰れなくなっていった?
もし、俳優志望だとしたら、約20年の年月は、見る影もないほど彼女を変えたということ。かつて彼女は、『陽子』の名にふさわしい女性だったのだろう。
658kmで出会った人たちが、動いていなかった彼女の感情を動かしてくれた。妬みや優しさ。それらは人に関わってこそ、表れる気持ちなのだから。
そして、止まっていた父親との時も、動かしてくれた。
人は、後悔の思いを深く沈めて生きていくものです。大なり小なりは。そんな人生って、いいですよね。
コメントする