劇場公開日 2023年7月28日

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「そうはならんやろ。」658km、陽子の旅 HAL-9000さんの映画レビュー(感想・評価)

3.0そうはならんやろ。

2023年8月15日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

映画のタイトルを聞いて最初の印象は、随分スケールが小さいなと感じました。たかが658km、しかも徒歩じゃなくて車でしょ?そんなに人間変われるもんかいな、と。普通に走ったらあっという間に着いてしまうけど、どうすんのかなと思っていたら案の定、郡山ナンバーがあんなに走ったのにまだそんな所にいるの?!みたいな。兎に角前半はダルいです。あらすじ聞いて、こんな感じの映画かな?と想像したらその通りでした。コミュ障の陽子はあたかも地蔵のようです。もう早く終わらんかなと何度か時計を見てしまいました。物語が熱を帯びるのは後半から。菊池凛子さんの長回しで撮った演技は流石の一言。しかし演出という面から観るとあそこで語りだす必然性は全くないし、なんかお手軽ですよね。全般に陽子の変化に対する説得力が足らない気がしました。夢が破れてコミュ障になったって言うのもどういうこと?多くの人は夢に挑戦する事なく一生を終える。或いは挑戦したい夢さえ見つけられず、終える事だって珍しくない訳で。それって不幸なんでしょうかね?陽子の存在にどうしてもリアリティが感じられませんでした。シリアスな映画なのでその辺がとても大切だと思うのですが…。うーん、ちょっと不満が残った映画でした。

HAL-9000
humさんのコメント
2023年9月5日

共感ありがとうございました。菊池さんはさすがでしたね。他人との距離をとる彼女が車という密室にストレスを感じないはずがないのに、頑張ったのはやはり父への思いですね。過去はあまり明らかにされませんでしたが、夢やぶれたのは人間関係のトラウマ故かと。おっしゃるように誰にもできるわけではない挑戦の経験。そのときを思い出しここから〝新たに生きる〟きっかけを!と思いながら、ようやくたどりついた陽子の未来を想像しました。

hum